2025年に入り、日本銀行の政策金利引き上げを受けて多くの銀行が預金金利を相次いで見直しています。中でも注目されるのが、「ネット銀行」の金利上昇です。魅力的なキャンペーンや特典が次々に登場する一方で、金利の上昇局面では定期預金を長期で組むことが本当に得策なのか、迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「ネット銀行 金利上昇」というキーワードを軸に、2025年の金利動向と今後注目すべきポイントをまとめつつ、普通預金・短期定期預金で高金利を提供しているおすすめネット銀行をご紹介します。さらに、金利が上がり続ける可能性のある今だからこそ押さえておきたい「預け先の選び方」や「注意点」についても詳しく解説します。読了後には、より自分に合った銀行選びの基準を明確にし、将来の金利変動にも柔軟に対応できるようになるはずです。
結論としては、「金利が上がりやすい環境下では、流動性を確保しやすい普通預金や短期定期預金を活用しながら、金利アップのキャンペーンが出たタイミングで乗り換えを検討する」という戦略がカギになります。長期で資金を拘束してしまうと、後からもっと有利な金利が出てきた際に乗り換えられず、機会損失になる可能性もあるからです。ここからは、その具体的な方法とおすすめネット銀行の情報をしっかり押さえていきましょう。
ネット銀行で賢く預金
2025年の金利動向と今後の注目ポイント
2025年の初頭に日本銀行が政策金利を0.5％へと引き上げたことで、銀行各社は続々と預金金利の引き上げを発表しています。これまでは超低金利が長く続いていたこともあり、わずかな金利上昇でも大きな注目を集めています。さらに、2025年度中には追加の利上げが行われる可能性もあるとされ、金利のさらなる上振れ期待が高まっている状況です。
こうした情勢を受け、ネット銀行がこぞって「金利上昇」を反映したキャンペーンを打ち出しているのが今のトレンドといえます。特に1％を超える定期預金や0.5％を超える普通預金など、かつては考えられなかった高金利が登場している点は要チェックです。とはいえ「金利が上がり続けるかもしれない」という状況下で、長期定期を組むのはリスクもあります。そこで、まずはネット銀行が持つ特徴や上手な活用法を理解しておきましょう。
また、日本銀行の金融政策や最新の金利動向については、日本銀行公式サイトで随時更新される情報を確認するのがおすすめです。公式発表をチェックすることで、今後の利上げのタイミングや見通しについてより正確な情報を得られます。
ネット銀行のメリットと金利上昇時に選ばれる理由
金利が高い理由
ネット銀行は実店舗を持たず、オペレーションコストを削減しているため、その分を金利や各種優遇サービスに回せるのが大きな特徴です。通常のメガバンクよりも遥かに高い金利を付与できるのはこうした構造的なメリットが背景にあります。
手数料が安い・無料特典が多い
入出金のATM手数料や他行への振り込み手数料などを無料とする特典が多く用意されているのも強みです。複数の条件をクリアしなければ無料回数を得られないケースもあれば、比較的ゆるい条件でもすぐに特典が適用される場合もあります。金利上昇を狙いながら手数料を抑えることで、より効率的に資産を増やせる可能性が高まります。
利上げ時の機動性に優れている
ネット銀行の場合、スマホやPCから24時間いつでもオンライン操作が可能です。金利が魅力的な別の銀行が現れたときや、キャンペーンのタイミングを逃さずに資金移動しやすいのもメリットといえます。特に定期預金を長期で組まずに短期定期や普通預金で様子を見ておけば、さらなる金利上昇時にスムーズに乗り換えられます。
以上の点から、ネット銀行は「金利上昇」局面でこそ有利に活用できる存在です。ここからは具体的に、高金利が魅力の普通預金と短期定期預金を提供しているネット銀行の中でも特におすすめのところをピックアップしていきます。
普通預金で狙う高金利：おすすめネット銀行4選
金利の上昇局面では、「いつでも出し入れ可能」かつ「高金利」が得られる普通預金を選択肢に入れるのがおすすめです。定期預金よりも金利は低めというのが従来の常識でしたが、最近のネット銀行では0.5％を超える普通預金も登場しており要注目です。
1. スマホ特化型「しまね銀行 シマホ」
金利: 普通預金で最大年0.50％
特徴: 2025年2月3日より普通預金の金利が年0.35％から0.50％に引き上げ。
無条件で高金利が適用される希少な銀行ですが、アプリの対応時間帯に制限がある点には注意が必要です。また、2年間残高が1万円未満の場合、口座管理手数料が発生する可能性があるため、定期的に残高をチェックしましょう。
2. 松井証券との連携「住信SBIネット銀行 松井バンク」
金利: 普通預金で年0.41％
特徴: 松井証券口座を持っていれば連携がスムーズに行え、年0.41％の高金利を享受できます。
ATM利用手数料や他行振込手数料も月5回まで無料、さらにデビット利用やクレジットカードの利用でポイントが貯まるなど、多面的なメリットがあります。貯まったポイントは投資信託の買付や他社ポイントへ交換可能です。
3. SBIホールディングスグループ「SBI新生銀行」
金利: ダイヤモンドステージなら普通預金0.40％、それ以外は0.21％
特徴: 2025年3月3日に普通預金金利を0.30％から0.40％へ引き上げ。
SBI証券との連携（SBI新生コネクト）を設定すると翌々月からダイヤモンドステージに到達でき、高金利を受けられます。29歳以下なら無条件でダイヤモンドステージが適用される特典も要注目です。
ATM手数料無料、振込手数料無料特典がステージに応じて回数が増えるのに加え、給与振り込みや口座振替などでもキャッシュバックを得られます。
4. GMOあおぞらネット銀行「GMOあおぞらネット銀行ハ」
金利: 100万円までは年0.50％、100万円超は0.21％
特徴: 2025年3月24日より100万円までの普通預金金利を0.40％から0.50％にアップ。
ATM利用手数料は月2回無料で、外貨預金の残高によっては無料回数を増やすことも可能ですが、ハードルはやや高め。
また、スマホデビット機能によるキャッシュレス決済をすると、0.8％のポイント還元が得られる点も魅力です。
以上の4つは、それぞれ特徴的な優遇サービスやキャンペーンを展開しており、ネット銀行の中でも特に金利が高いと評判です。サービス面や条件の厳しさなどを比較し、自分に合った銀行を選ぶことが重要となります。
短期定期預金がおすすめな理由と注目の高金利商品
金利上昇局面での定期預金は、長期よりも「3か月〜1年程度」の短期がおすすめです。なぜなら、金利がさらに上昇した際に、長期で資金を拘束してしまうと機会損失を招く恐れがあるからです。短期であれば満期後にスムーズにより高金利な商品へ乗り換えられます。
1. SBI新生銀行「スタートアップ円定期預金」
金利: 3か月もの1.2％、1年もの0.85％
特徴: 新規口座解説者を対象にした特別金利で、ウェルカムプログラムの一環として実施されています。3か月ものに500万円以上預ければさらにキャッシュバックも期待でき、複数条件を組み合わせると最大3万円以上のキャッシュバックが狙えます。とはいえすべての条件を達成するのは難易度が高いので、現実的には3〜4個の条件クリアで1万円近い特典を狙うのがおすすめです。
2. auじぶん銀行「デビュー応援プログラム」
金利: 3か月もの1.0％
特徴: 新規口座開設で年1.0％の特別金利が適用されるプログラム。既存ユーザー向けにも、1年もの定期で1％を超える金利+増額特典が用意されています。ただし特典の内訳が複雑なので、公式サイトのシミュレーターを使って実際の利息や現金特典を確認するのがベストです。
口座残高や他のauサービスとの連携状況に応じ、最大年0.41％や0.5％まで普通預金金利がアップする点も見逃せません。
3. UI銀行「スーパー定期・大口定期」
金利: 1年もの定期預金で年1.0％〜1.05％、6か月もの年0.7％
特徴: 2025年1月24日に大幅金利引き上げを実施し、UI銀行の新規口座開設者限定キャンペーンではさらに+αの金利が得られます。
UI+優遇サービスでステージを上げるとATM出金手数料や他行振込手数料がより多く無料となる仕組みがあります。加えて2024年から登場した「女神の財布」は、女性であればステージ条件なしで月3回のATM無料・月5回の振込無料が適用されるなど、特典面も充実しています。
4. オリックス銀行「eダイレクト預金口座」
金利: 6か月・1年もの定期で年1.0％
特徴: オリックス銀行は実店舗やATMカードを持たない、資産運用特化型の銀行です。入金は他行からの振り込み、出金はオリックス銀行から他行への振り込み（月2回まで無料）を利用する仕組みになっています。
口座を開設する際は、過去に「eダイレクト預金口座」を持っていない場合はもちろん、持っていて解約済みの場合でも特別金利の対象になる点が魅力。100万円以上から預け入れ可能というハードルはあるものの、余剰資金を運用したい方にはおすすめです。
金利上昇局面での賢い預金戦略：今すぐやるべきこと
短期集中でチャンスを逃さない
金利の上昇が続く局面では、1年以上の長期定期に資金を縛り付けるのは得策ではありません。定期預金を活用する場合でも、3か月～1年などの短期で設定しておき、キャンペーンやさらなる金利アップの情報を常にリサーチするのがポイントです。
複数のネット銀行を使い分ける
ネット銀行は口座開設・管理が比較的容易です。特定の銀行だけでなく、複数の高金利銀行を活用して資金を分散することで、より多くのキャンペーン特典を受け取れたり、ATMや振り込み回数の無料枠を有効活用できたりします。ただし、口座が増えすぎると管理が煩雑になるため、1〜3行に絞るといいでしょう。
ポイントサイト経由や紹介キャンペーンでさらにお得に
新規口座を開設する際は、ポイントサイト経由や紹介キャンペーンを利用すると現金やポイントを獲得できる場合があります。SBI新生銀行やUI銀行、auじぶん銀行などが実施している現金キャッシュバックは特に人気が高く、金利だけでなく初期特典を大きく得られるチャンスです。
情報収集はマメに
各銀行が行うキャンペーンは期間限定のものが多く、金利の変動や特典内容も頻繁に更新されます。公式サイトや金融情報サイトを定期的にチェックし、今が「乗り換え時」なのかどうかを把握する習慣を付けましょう。
また、日本銀行の金融政策決定会合が行われる時期や政策発表のタイミングなどは特に注目です。その直後に金利アップや新たなキャンペーンが発表されるケースが増えています。
まとめ：自分に合ったネット銀行選びが重要
2025年の金利上昇局面では、ネット銀行が積極的に金利やキャンペーンを引き上げており、普通預金でも0.5％前後、短期定期では1％超が続々登場しています。ただし、金利が上がり続けるかもしれないという状況下では、長期の定期預金に資金を固定してしまうと後々の金利アップのチャンスを逃すリスクもあります。
したがって、流動性を確保しながら金利アップを狙うために、以下のポイントを意識するとよいでしょう：
- いつでも引き出し可能な高金利「普通預金」で待機資金を確保
- 「短期定期預金」で満期を迎えやすく、金利アップのチャンスを伺う
- 複数のネット銀行を比較し、手数料やキャンペーン特典も加味して選ぶ
- ポイントサイト経由や紹介キャンペーンを活用して初期特典を最大化
- 最新の金融政策と金利情報をこまめにチェック
上記の戦略を取りながら資金を賢く分散することで、より高い利率の恩恵を受けやすくなります。ネット銀行を上手に使いこなして、少しでも効率良く資産を増やしていきましょう。
免責事項
本記事は、執筆時点（2025年3月25日現在）の公開情報に基づいて作成しております。記載されている金利や各種キャンペーン情報は予告なく変更・終了する場合がありますので、ご利用の際は必ず各銀行の公式サイトで最新情報をご確認ください。
また、本記事における情報提供は投資助言や特定の商品・サービスを推奨するものではありません。資産運用や口座開設に関する最終的な判断は、読者ご自身の責任とリスクで行ってください。運用にあたっては金融商品取引法や銀行業法に則った正確な知識を身につけ、必要に応じて税理士やファイナンシャルプランナーなど専門家への相談をご検討ください。
以上、「ネット銀行 金利上昇」時代の賢い預け先選びについて、具体的な銀行名とメリット・デメリットを含めて詳しくご紹介しました。今後さらなる金利上昇があれば、普通預金や短期定期預金の活用がますます重要となります。ぜひ本記事を参考に、柔軟かつお得な運用戦略を組み立てていただければ幸いです。
