今すぐ設定!Windows Defenderを最強にする究極のセキュリティ設定ガイド【全ユーザー必見】

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【はじめに】あなたのWindows、本当に守られていますか? Defenderの真価を引き出す方法

「えっ、Windows Defender? 無料のやつでしょ?」「私はちゃんとした有料セキュリティソフトを使っているから大丈夫!」

もしかしたら、あなたもそう思っていませんか? こんにちは! パソコンのセキュリティについて、皆さんと一緒に考えていきたい、あなたのデジタルライフサポーターです。

今回のテーマは、Windowsに標準搭載されているWindows Defender。多くの人が「無料だから性能はそこそこ」「有料ソフトを入れたら不要になる」と思いがちですが、それは大きな誤解なんです!

実は、現在のWindows Defender(Microsoft Defender Antivirus)は、非常に高性能。第三者評価機関のテストでも、多くの有料セキュリティソフトと肩をλべる、あるいはそれ以上のスコアを叩き出すこともあるほどの実力者なんです。

そして、ここが重要なポイント! たとえあなたが他の有料セキュリティソフトをインストールしていたとしても、Windows Defenderのすべての機能が停止するわけではありません。リアルタイム保護などの一部機能は有料ソフトに役割を譲りますが、DefenderにはOSの根幹を守るための「隠された力」、つまり今回ご紹介するような、普段は眠っている強力な防御機能が備わっているんです。

この記事では、その眠れるWindows Defenderの「本気」を呼び覚まし、あなたのWindowsパソコンを鉄壁の要塞に変えるための具体的な設定方法を、ステップバイステップで、わかりやすく解説していきます。難しい専門用語も、できるだけかみ砕いて説明しますので、パソコンに詳しくない方もご安心ください。

これらの設定は、通常のセキュリティソフトだけではカバーしきれない、OSの心臓部(カーネル)や、巧妙化するランサムウェア攻撃などから、あなたのパソコンと大切なデータを守るために不可欠なものです。

「設定なんて面倒…」と感じるかもしれませんが、ほんの少しの手間で、将来起こりうる大きなトラブルを防げるなら、やらない手はありませんよね? ぜひ、この記事を最後まで読んで、あなたのWindowsのセキュリティレベルを最大限に引き上げましょう!

なぜ今、Windows Defenderの設定が重要なのか? 誤解と真実

多くの人がWindows Defenderについて誤解している点を、もう少し詳しく見ていきましょう。

  1. 「無料=性能が低い」という誤解:
    かつては確かに、有料ソフトに見劣りする時期もありました。しかし、MicrosoftはWindowsのセキュリティ強化に莫大な投資を行っており、AI(人工知能)やクラウド技術を活用することで、Defenderの検知能力や防御力は飛躍的に向上しました。今や、個人利用であれば「Windows Defenderだけで十分」と言われることも少なくありません。
  2. 「有料ソフトを入れたらDefenderは完全に停止する」という誤解:
    これが最も大きな誤解の一つです。パソコン上で同時にアクティブになれるリアルタイム保護エンジンは基本的に一つだけです。そのため、他のセキュリティソフトをインストールすると、Defenderのリアルタイムスキャン機能は自動的に「お休みモード」に入ります。
    しかし! それはDefenderの機能の一部に過ぎません。今回紹介するコア分離ランサムウェア保護などの機能は、他のソフトが入っていても独立して動作し、OSの根幹部分を守り続けることができるのです。むしろ、有料ソフトとこれらのDefender機能が連携することで、より多層的な防御体制を築くことが可能になります。

つまり、有料セキュリティソフトを使っているユーザーにとっても、今回の設定は無関係どころか、むしろ積極的に行うべきなのです。

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設定の前に:Windowsセキュリティ画面へのアクセス方法

これから様々な設定を行っていきますが、まずは設定画面への基本的なアクセス方法を確認しましょう。

  1. スタートメニューを開く: 画面左下のWindowsロゴマークをクリックします。
  2. 設定(歯車アイコン)を開く: スタートメニュー内にある歯車アイコンの「設定」をクリックします。
  3. プライバシーとセキュリティを選択: 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選びます。(Windows 10の場合は「更新とセキュリティ」)
  4. Windowsセキュリティを選択: 「プライバシーとセキュリティ」(または「更新とセキュリティ」)の中にある「Windowsセキュリティ」をクリックします。
  5. Windowsセキュリティを開く: 「Windowsセキュリティを開く」ボタンをクリックします。

これで、Windows Defender(Microsoft Defender)の設定を行うためのメイン画面が表示されます。ここから各設定項目へアクセスしていきます。

【設定1】OSの心臓部を守る!「コア分離」を有効にする

まず最初に取り組むべき、最重要設定が「コア分離(Core Isolation)」です。これは、パソコンの動作全体を管理している超重要なプログラム領域、「カーネル(Kernel)」を守るための機能群です。

カーネルは、例えるならパソコンの「王様」や「司令塔」。あらゆるアプリやデバイスからの要求を受け取り、「メモリのこの部分を使っていいよ」「CPUにこの処理をさせよう」といった指示を出す、まさにOSの中核です。もし、このカーネルが悪意のあるプログラムに乗っ取られてしまったら…パソコン全体が完全に支配されてしまいます。

コア分離は、この「王様」がいるお城(カーネル領域)の守りを固めるための機能。仮想化ベースのセキュリティ(VBS)という技術を使って、カーネルを他のプロセスから隔離し、不正なアクセスや改ざんを防ぎます。

それでは、コア分離の設定項目を一つずつ見ていきましょう。

アクセス方法: Windowsセキュリティ画面 > デバイス セキュリティ > コア分離の詳細

1. メモリの整合性 (Memory Integrity)

  • 何をする機能?: パソコンの物理メモリ(RAM)に対して、悪意のあるドライバー(デバイスを動かすためのプログラム)が不正なコードを注入し、OS(カーネル)を乗っ取ろうとする攻撃を防ぎます。常にメモリの状態を監視し、怪しい動きがあれば即座にブロックします。
  • なぜ重要?: カーネルレベルでの攻撃は非常に強力で、通常のセキュリティソフトでは検知・防御が困難な場合があります。メモリの整合性を有効にすることで、こうした高度な攻撃に対する防御力を大幅に高められます。
  • なぜ初期状態でオフの場合がある?: この機能は、非常に古い、あるいはサポートが終了しているようなデバイスドライバーとの間で、ごく稀に互換性の問題(デバイスが正常に動作しなくなる、ブルースクリーンが発生するなど)を引き起こす可能性が報告されています。Microsoftとしては、万が一にもユーザーの環境で問題が起きる可能性を考慮し、デフォルトでオフにしているケースがあるのです。
  • 推奨設定: 絶対にオン!
  • 注意点・対処法:
    • オンにした後、プリンターやWi-Fi、その他の周辺機器が正常に動作しなくなった場合は、一度この設定をオフに戻してみてください。
    • 問題の原因となっている可能性のあるデバイスのドライバーを最新版に更新するか、デバイスメーカーの公式サイトで互換性情報を確認してください。
    • どうしても問題が解決しない、または必須のデバイスが使えなくなる場合は、残念ですがオフにしておくしかありません。しかし、ほとんどの比較的新しいPC環境では問題なく動作します。
    • オンにする際に「互換性のないドライバーがあります」といったメッセージが表示された場合は、表示されたドライバー名を検索し、更新または削除が可能か検討しましょう。

2. カーネルモード ハードウェア強制スタック保護 (Kernel-mode Hardware-enforced Stack Protection)

  • 何をする機能?: 少し難しい話になりますが、カーネルがプログラムを実行する際には、「スタック」と呼ばれる一時的なメモリ領域を使って、次に実行すべき命令のアドレスなどを管理しています。攻撃者は、このスタック上の情報を書き換えることで、カーネルに意図しない不正な処理を実行させようとします(Return-Oriented Programming, ROP攻撃など)。この設定は、CPUの機能と連携して、そうしたスタックへの不正な書き換え(制御フローのハイジャック)を検知し、ブロックします。例えるなら、王様の命令メモ(スタック)が、悪者によってこっそり書き換えられるのを防ぐ機能です。
  • なぜ重要?: ROP攻撃のような高度なメモリ破壊攻撃は、従来の防御策を回避することがあります。ハードウェアレベルでの保護を加えることで、より堅牢な防御を実現します。
  • なぜ初期状態でオフ/表示されない場合がある?:
    • この機能は、比較的新しいCPU(IntelのCETやAMDのShadow Stackなど)のハードウェア支援を必要とします。お使いのPCのCPUが対応していない場合、この項目自体が表示されません。
    • 対応CPUであっても、古いドライバーや一部のソフトウェア(特に古いゲームやデバッグツールなど)との間で、稀に互換性の問題(クラッシュ、動作不安定など)が報告されています。
  • 推奨設定: 項目が表示されていれば、オンにすることを強く推奨!
  • 注意点・対処法:
    • オンにした後に、特定のアプリケーション(特にゲームなど)がクラッシュしたり、キーボードやマウスの反応がおかしくなったりした場合は、一度オフに戻して様子を見てください。
    • 比較的新しいPCであれば、問題が発生する可能性は極めて低いです。

3. ローカル セキュリティ機関 (LSA) の保護 (Local Security Authority Protection)

  • 何をする機能?: Windowsには、ユーザーのログイン情報(パスワードのハッシュ値など)や認証トークンといった、非常に機密性の高い情報を管理する「ローカル セキュリティ機関(LSA)」というプロセスがあります。この設定は、LSAプロセスへの不正なメモリアクセスやコード注入を防ぎ、認証情報を盗み取ろうとする攻撃(例: Mimikatzのようなツールを使った攻撃やPass-the-Hash攻撃)から保護します。パソコン内部の「金庫番」に、屈強なガードマンを付けるようなイメージです。
  • なぜ重要?: 攻撃者は、ユーザーのパスワードそのものではなく、OS内部で使われているパスワードの「ハッシュ値」などを盗み出し、それを使って不正に他のシステムへログインしようとすることがあります(Pass-the-Hash/Ticket)。LSA保護は、こうした認証情報窃取のリスクを大幅に低減します。
  • なぜ初期状態でオフの場合がある?:
    • 一部の古いカスタム認証ドライバーや、特定の種類のVPNクライアントソフトウェア、一部の業務用ツールなどとの間で、互換性の問題が発生するケースが報告されています。
    • オンにすることで、これらのソフトウェアが正常に動作しなくなる可能性があります。
  • 推奨設定: 原則オン!
  • 注意点・対処法:
    • オンにした後、特定のVPN接続ができなくなったり、昔から使っている業務システムでエラーが発生したりするようになった場合は、原因がこの設定である可能性があります。
    • その場合は、一度オフに戻すか、使用しているVPNソフトや業務用ツールのアップデート、代替ツールの検討などが必要になるかもしれません。
    • 一般的な個人利用環境では、問題が発生するケースは稀です。

4. Microsoft Vulnerable Driver Blocklist (脆弱なドライバーのブロックリスト)

  • 何をする機能?: Microsoftは、世界中から収集した情報をもとに、セキュリティ上の脆弱性(欠陥)が確認されたり、マルウェアによって悪用されたりする可能性のある「危険なドライバー」のリストを管理しています。この設定をオンにすると、そのブロックリストに含まれるドライバーがシステム内で読み込まれるのを自動的に防いでくれます。
  • なぜ重要?: 正規のソフトウェアベンダーから提供されたドライバーであっても、後から深刻な脆弱性が発見されることがあります。攻撃者はこれらの脆弱なドライバーを悪用してシステムに侵入しようとします。この機能を有効にしておくことで、既知の危険なドライバーからシステムを保護できます。
  • なぜ初期状態でオフの場合がある?: 以前はデフォルトでオフのこともありましたが、近年はデフォルトでオンになっていることが多いです。しかし、環境によってはまだオフのままになっているケースも見られます。
  • 推奨設定: 迷わずオン!
  • 注意点・対処法:
    • この機能が原因で互換性の問題が発生することは、通常ほとんどありません。
    • もし、この設定をオンにしたことで特定のデバイスが動作しなくなった場合、それはそのデバイスのドライバーに既知の脆弱性が存在する可能性が高いことを意味します。その場合は、この設定をオフにして問題を回避するのではなく、デバイスの製造元の公式サイトから最新かつ安全なドライバーを探してインストールするようにしてください。

コア分離のまとめ:
これらの設定を有効にすることで、OSの最も深い部分、カーネルレベルでの防御力が格段に向上します。多少の互換性リスクはありますが、ほとんどの環境では問題なく動作し、得られるセキュリティ上のメリットは非常に大きいです。まずはすべてオンにしてみて、もし問題が発生したら、その項目だけをオフに戻す、というアプローチをお勧めします。

【設定2】最悪の悪夢を防ぐ!「ランサムウェアの防止」を設定する

次に設定したいのが、「ランサムウェアの防止(Ransomware Protection)」機能です。

ランサムウェアとは、感染するとパソコン内のファイル(写真、文書、動画など、あらゆるデータ)を勝手に暗号化してしまい、「元に戻してほしければ身代金を支払え」と要求してくる、非常に悪質なマルウェア(悪意のあるプログラム)です。大切な思い出の写真や、仕事で使う重要なファイルがすべて人質に取られてしまう…考えただけでも恐ろしいですよね。

この「ランサムウェアの防止」機能は、「コントロールされたフォルダー アクセス(Controlled Folder Access)」という仕組みを使って、指定したフォルダーへの不正な変更(暗号化など)をブロックしてくれます。

アクセス方法: Windowsセキュリティ画面 > ウイルスと脅威の防止 > ランサムウェアの防止(「ランサムウェア防止の管理」をクリック)

コントロールされたフォルダー アクセス (Controlled Folder Access)

  • 何をする機能?: デフォルトで「ドキュメント」「ピクチャ」「ビデオ」「ミュージック」などの重要なユーザーフォルダーを保護対象とし、許可されていないアプリがこれらのフォルダー内のファイルを変更(新規作成、上書き、削除、暗号化など)しようとすると、それをブロックします。保護対象のフォルダーは自分で追加することも可能です。
  • なぜ重要?: ランサムウェアは、まさにこの「ファイルの変更」権限を悪用してファイルを暗号化します。この機能を有効にしておくことで、たとえ未知のランサムウェアがシステムに侵入したとしても、重要なファイルが暗号化されるのを未然に防ぐことができます。
  • なぜ初期状態でオフなのか?: この機能は非常に強力な反面、「おせっかい」な側面もあります。Windowsがまだ信頼できると認識していない正規のアプリケーション(例えば、新しくインストールした画像編集ソフトや、マイナーな開発ツールなど)までブロックしてしまうことがあるのです。そのため、ユーザーが自分で「このアプリは信頼できるから、保護されたフォルダーへのアクセスを許可する」という設定を都度行う必要が出てくるため、利便性を考慮してデフォルトではオフになっています。
  • 推奨設定: オンにすることを強く推奨! ただし、設定後の「ひと手間」が必要になることを理解しておきましょう。
  • 使い方と注意点:
    1. 「コントロールされたフォルダー アクセス」のスイッチをオンにします。
    2. 保護するフォルダーを確認・追加する: 「保護されているフォルダー」をクリックし、デフォルトで保護されているフォルダーを確認します。もし、これら以外の場所に重要なデータを保存している場合は、「保護されたフォルダーを追加する」から追加しましょう(例: Dドライブの作業用フォルダーなど)。
    3. アプリがブロックされた場合の対処法: この機能をオンにした後、普段使っているソフト(例: 写真編集ソフトで写真を保存しようとした、動画編集ソフトでプロジェクトを書き出そうとした、など)が「ファイルを保存できません」「アクセスが拒否されました」といったエラーを出したり、画面右下に「承認されていない変更がブロックされました」という通知が出たりすることがあります。これは、そのソフトがまだ「許可リスト」に入っていないためです。
      • その場合は、「コントロールされたフォルダー アクセスによってアプリを許可する」をクリックします。
      • 「許可されたアプリを追加する」ボタンをクリックし、「最近ブロックされたアプリ」を選択すると、直近でブロックされたアプリの一覧が表示されます。
      • 該当するアプリの横にある「+」ボタンをクリックして、許可リストに追加します。
      • もし「最近ブロックされたアプリ」に表示されない場合は、「すべてのアプリを参照」から、許可したいアプリの実行ファイル(.exeファイル)を手動で選択して追加します。
    4. 設定の維持: 新しいソフトをインストールしたり、ソフトがメジャーアップデートされたりした際に、再度ブロックされることがあります。その都度、許可リストに追加していく作業が必要になります。

ランサムウェア防止のまとめ:
最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、この「コントロールされたフォルダー アクセス」は、ランサムウェアに対する非常に有効な防御策です。設定に慣れてしまえば、それほど手間ではありません。大切なデータを守るため、ぜひ有効にして、アプリの許可設定を行ってみてください。

【設定3】Defenderの基本性能をフル活用!「ウイルスと脅威の防止」設定を確認

ここでは、主にWindows Defenderをメインのセキュリティ対策として使っている方向けの確認項目です。他の有料セキュリティソフトをメインで使っている場合、ここの設定の多くは有料ソフト側で管理されるため、灰色表示になって変更できないことがほとんどです。

Windows Defenderをメインで利用している方は、以下の設定がすべてオンになっているかを確認しましょう。過去に一時的に設定を変更したり、他のソフトを試用したりした際に、意図せずオフになったままになっている可能性があります。

アクセス方法: Windowsセキュリティ画面 > ウイルスと脅威の防止 > ウイルスと脅威の防止の設定(「設定の管理」をクリック)

確認すべき主要な設定項目

  • リアルタイム保護 (Real-time protection):
    • 内容: ファイルのアクセス時やダウンロード時、アプリの実行時などに、常にマルウェアがいないかを監視する、最も基本的な保護機能です。
    • 状態: Defenderがメインの場合、必ずオンになっている必要があります。オフになっていると、無防備な状態になってしまいます。
  • クラウド提供の保護 (Cloud-delivered protection):
    • 内容: Microsoftのクラウド上にある最新の脅威情報をリアルタイムに参照し、より迅速かつ強力な保護を提供します。未知の脅威に対する検知能力が向上します。
    • 状態: 必ずオンにしておきましょう。これにより、定義ファイル(パターンファイル)の更新だけでは対応できない新しい脅威にも対抗しやすくなります。
  • 自動サンプル送信 (Automatic sample submission):
    • 内容: 疑わしいファイルが見つかった場合に、ユーザーに確認の上(または自動で)、そのファイルを分析のためにMicrosoftに送信する機能です。これにより、Microsoftは新しいマルウェアを迅速に特定し、世界中のDefenderユーザーのための保護機能を改善できます。
    • 状態: オンにしておくことを推奨します。「勝手にファイルが送られるのは不安」と感じるかもしれませんが、Microsoftはプライバシーに配慮しており、個人情報が含まれる可能性のあるファイル(Word文書など)の場合は、送信前にユーザーに確認を求めます。この機能に協力することで、結果的に自分自身の保護も強化されることになります。
  • 改ざん防止 (Tamper Protection):
    • 内容: マルウェア自身や、悪意のある第三者が、Windows Defenderの重要なセキュリティ設定を勝手に無効化したり、変更したりするのを防ぎます。
    • 状態: 必ずオンにしておきましょう。せっかく設定したセキュリティ機能を、いざという時に無効化されてしまっては意味がありません。

ウイルスと脅威の防止設定のまとめ:
Windows Defenderをメインで利用している方は、これらの基本設定がすべて有効になっているかを必ず確認してください。これらの設定を最適化することで、Defenderの持つ本来の防御力を最大限に引き出すことができます。

【設定4】アプリとブラウザの安全性を高める設定

次は、アプリケーションの実行やウェブブラウジング時の安全性を高めるための設定項目を見ていきましょう。

アクセス方法: Windowsセキュリティ画面 > アプリとブラウザ コントロール

1. 評価ベースの保護 (Reputation-based protection)

「評価ベースの保護設定」をクリックして、中の項目を確認します。

  • 望ましくない可能性のあるアプリのブロック (Potentially unwanted app blocking):
    • 内容: ウイルスとは断定できないものの、PCの動作を遅くしたり、不要な広告を表示したり、他の望ましくないソフトウェアを勝手にインストールしたりするような、「迷惑アプリ(PUA/PUP)」のダウンロードやインストールをブロックします。
    • 状態: オンにし、「アプリとダウンロードの両方をブロックする」にチェックを入れておくことを推奨します。フリーソフトなどにバンドルされていることがあるため、有効にしておくと安心です。
  • SmartScreen for Microsoft Edge:
    • 内容: Microsoft Edgeブラウザ使用時に、フィッシング詐欺サイトや、マルウェアを配布しているサイトへのアクセスをブロックします。
    • 状態: オンのままにしておきましょう。Edgeブラウザの基本的な安全機能です。
  • SmartScreen for Microsoft Store アプリ:
    • 内容: Microsoft Storeからアプリをインストールする際に、そのアプリが安全かどうかをチェックし、危険なアプリから保護します。
    • 状態: オンのままにしておきましょう。

2. スマート アプリ コントロール (Smart App Control) – ※注意点あり

  • 何をする機能?: これは比較的新しい機能で、Microsoftが悪質または未署名と判断したアプリ、つまり信頼性が確認できないアプリの実行を、問答無用でブロックするという、非常に強力な保護機能です。
  • なぜ強力?: これが有効であれば、たとえユーザーが誤ってマルウェアをダウンロードして実行しようとしても、起動自体がブロックされるため、感染のリスクを劇的に減らすことができます。
  • 大きな注意点・制約:
    • この機能は、Windowsをクリーンインストール(初期状態に戻す)した直後にしか有効にできません。一度「オフ」にするか、評価モード(最初はオンでもオフでもない状態)からオフになると、再度オンにするにはWindowsの再インストールが必要になります。
    • Microsoftが「信頼できる」と判断するアプリのリストはまだ限定的であり、多くの正常なアプリ(特に開発者ツール、古いソフト、マイナーなフリーソフトなど)までブロックしてしまう可能性が高いです。
  • 推奨設定: 現状では、ほとんどのユーザーにはお勧めしません。利便性が著しく損なわれる可能性が高いです。Word、Excel、Webブラウジング程度しか利用しない、かつセキュリティをとにかく最優先したい、という限定的な用途のPCであれば有効な場合もありますが、オンにするためのハードル(再インストール)も高いです。
  • 確認方法: 「スマート アプリ コントロール」の項目がもし「オン」や「評価」になっていて、特に不便を感じていないならそのままでも良いかもしれませんが、「オフ」になっている場合、無理にオンにしようとする必要はありません(できません)。

3. Exploit Protection (悪用に対する保護) – ※上級者向け

  • 何をする機能?: OSやアプリケーションの脆弱性(セキュリティ上の弱点)を突く攻撃(Exploit)には、特定の技術的な手口が使われることがあります。Exploit Protectionは、データ実行防止(DEP)、アドレス空間レイアウトのランダム化(ASLR)、制御フローガード(CFG)など、様々な攻撃緩和技術をシステム全体やアプリごとに細かく設定できる機能です。
  • なぜ重要?: ゼロデイ攻撃(まだ修正パッチが存在しない未知の脆弱性を突く攻撃)など、パターンファイルだけでは防ぎきれない攻撃に対する防御力を高めることができます。
  • 注意点: ここの設定は非常に高度で専門的です。デフォルト設定でも十分に強力な保護が提供されています。設定内容を正確に理解せずに変更すると、特定のアプリケーションが起動しなくなったり、システムが不安定になったりする可能性があります。
  • 推奨設定: 通常はデフォルト設定のまま触らないでください。セキュリティの専門家や、これらの技術に深い知識を持つ上級者以外は、カスタマイズする必要はありません。「こういう高度な防御機能も備わっているんだな」と知っておくだけで十分です。
  • 参考情報: Microsoftの公式ドキュメントなどで詳細を確認できますが、安易な変更は禁物です。

アプリとブラウザ コントロールのまとめ:
評価ベースの保護を有効にし、望ましくないアプリをブロック設定にしておくのが基本です。スマートアプリコントロールは現状では扱いが難しく、Exploit Protectionは専門知識がない限り触らないようにしましょう。

【まとめ】眠れるDefenderを起こして、今日から鉄壁の守りを!

今回は、Windows Defender(Microsoft Defender)に隠された強力なセキュリティ機能を呼び覚まし、あなたのパソコンをより安全にするための具体的な設定方法を解説してきました。

  • コア分離(メモリの整合性、カーネルモード スタック保護、LSA保護、脆弱ドライバーブロック): OSの心臓部であるカーネルを狙う高度な攻撃から守る。
  • ランサムウェアの防止(コントロールされたフォルダー アクセス): 大切なファイルが人質に取られる悪夢を防ぐ。
  • ウイルスと脅威の防止設定(クラウド保護、サンプル送信、改ざん防止など): Defenderの基本性能を最大限に引き出す。
  • アプリとブラウザ コントロール(評価ベースの保護): 迷惑アプリや危険なサイトから身を守る。

これらの設定は、有料セキュリティソフトを使っている方にとっても無関係ではなく、むしろ併用することで、より多層的で強固な防御体制を築くことができます

最初は少し設定が面倒に感じたり、コントロールされたフォルダー アクセスでアプリの許可が必要になったりするかもしれませんが、一度設定してしまえば、あとはWindows Defenderがバックグラウンドで静かに、しかし力強くあなたのパソコンを守り続けてくれます。

セキュリティ対策は、一見地味で、すぐに効果が実感できるものではないかもしれません。しかし、万が一の事態が発生したとき、「あの時、設定しておいてよかった」と心から思えるはずです。デジタル社会におけるリスクは日々巧妙化していますが、基本的な対策をしっかりと行うことで、その多くは防ぐことが可能です。

ぜひ、この機会にあなたのWindowsのセキュリティ設定を見直し、Windows Defenderの真の力を引き出して、安心・安全なデジタルライフを送ってくださいね!


免責事項:
この記事で紹介している設定は、Windowsのセキュリティを強化することを目的としていますが、すべての脅威からの完全な保護を保証するものではありません。お使いのPC環境(ハードウェア、ソフトウェア、ドライバーのバージョンなど)によっては、互換性の問題が発生したり、予期せぬ動作を引き起こしたりする可能性がゼロではありません。設定の変更は、ご自身の責任において行ってください。設定変更によって生じたいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。不明な点や問題が発生した場合は、PCメーカーやMicrosoftのサポート情報、または専門家にご相談ください。

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