ChatGPT確定申告×Freee会計
税理士を超える！？
はじめに：3回目でも悩む青色申告。ChatGPTは救世主？
個人事業主やフリーランスにとって、青色申告は避けて通れない一大イベント。すでに3回目ともなると慣れてきそうなものですが、現実には毎年のようにルール変更や疑問が浮かび、スムーズに作業できるとは限りません。
本記事の主人公は、Freee会計を使って青色申告を続ける兄。実は彼、「事業主貸」「事業主借」といった用語の意味をいまだによく分からず、Freee会計の指示どおりに仕訳してはいるものの、「なんとなく心配」なまま年度を越している状態だったのです。
しかし、そんな兄が「もっと気軽に仕訳を学べる方法はないか？」と考えたところ、ChatGPTというAIチャットボットに出会います。日常的な経理作業や仕訳に関する疑問を、24時間どんな時でも素早く回答してくれることで、一気にモヤモヤが解消される可能性があるのです。
物語を通じて、大手上場IT企業で財務経理幹部の経験を積んだ現・エンジョイ経理編集長（弟）が、兄の疑問をチャット形式で紐解きながら、「AIをどう使えば青色申告の負担が減るのか？」を具体的に示していきます。
1. ChatGPTを使った確定申告のメリットとは？
1-1. 24時間365日対応の頼れる相棒
仕事に追われる個人事業主は、経理作業を夜中に行うことも珍しくありません。従来であれば税理士さんに連絡を取ろうにも、営業時間外で返信は翌日…。そんななか、ChatGPTは24時間いつでも対応してくれます。少額の取引や「これって経費になる？」といった軽い疑問なら、深夜早朝でもすぐに答えてくれるのは魅力です。
1-2. スピーディーな回答
税理士へメールや電話で質問した場合、回答をもらうまでに時間がかかることがあります。一方でChatGPTなら数秒。もちろん、最終的には自分で情報の正確性を検証する必要はあるものの、疑問を素早く解決できるのは作業効率を大きく上げる要因となります。
1-3. 節約できるコスト
税理士への依頼は安心を得られる反面、報酬が負担になる場合も。特に事業規模が小さい人や、会計ソフトを活用してある程度のところまで自力で進められる人は、ChatGPTを活用することで税理士にお願いする範囲を絞り、コストを最適化できる可能性があります。
1-4. 最新情報への対応（ウェブ検索との組み合わせ）
ChatGPTの学習データにはタイムラグがあります。直近の税制改正やインボイス制度、電子帳簿保存法の変更点などは、ウェブ検索で調べてからChatGPTに「ここにこう書いてあったけど、要点まとめて」とフィードバックすることで、より正確なやりとりができるようになります。
2. ChatGPT導入準備：必要なものと心構え
2-1. ChatGPTアカウント登録と基礎知識
ChatGPTを使うにはOpenAIなどでアカウント登録が必要です。無料プランでも多くの機能が使用できますが、利用が集中する時期には有料プラン（ChatGPT Plusなど）を検討すると待ち時間が短縮できたり、最新機能（GPT-4）を使えたりして便利です。
2-2. 必要書類・データの保管（Freee連携のポイント）
- 領収書、レシートの保管
- 銀行口座やクレジットカードの明細
- 売上伝票・請求書
これらをFreee会計に連携する場合、事業用とプライベート用を明確に分けるのが重要。事業専用口座やカードを用意できると仕訳が楽になります。ChatGPTで「プライベート支出が混在している場合の仕訳方法」を聞きながら整理してみましょう。
2-3. 基礎会計知識の押さえ方
「事業主貸」「事業主借」「雑費」「消耗品費」などの基本科目は最低限理解しておきたいところです。ChatGPTは用語解説をしてくれますが、最初にざっと会計入門書やFreee会計のヘルプページを見ておくと、スムーズに会話が進みます。
2-4. 目的とゴールを明確に
- 「65万円控除を受けたい」
- 「Freee会計の仕訳を正しく理解したい」
- 「事業主貸・事業主借の意味を把握したい」
自分の優先事項が何かをはっきりさせれば、ChatGPTへの質問も具体的になり、より的確なアドバイスが得られます。
3. 物語の始まり：編集長、兄の「Freee会計」利用の悩みを聞く
登場人物
- 兄（個人事業主）
- Webデザイナーとして独立して6年目
- 青色申告は3回目で、最初からFreee会計を使っている
- 仕訳に対する理解が浅いまま、「事業主貸」「事業主借」をほぼ機械的に処理していたが不安が募る
- 弟＝エンジョイ経理編集長
- 大手上場IT企業で財務経理の幹部を長年務め、現在は経理・財務の知識を分かりやすく発信するメディア「エンジョイ経理」を運営
- AIやITツールに詳しく、ChatGPTの可能性にいち早く着目
兄「もう3回目の青色申告なんだけど、正直まだよく分からない。Freeeの指示どおりに仕訳してるけど、『事業主貸』とか『事業主借』とか…何が何やら。」
編集長（弟）「なるほどね。あれは個人事業主特有の科目で、事業とプライベートのお金の出入りを整理するために使うんだ。でも単語だけだとピンと来ない人は多い。ChatGPTに質問してみたら？」
兄「ChatGPT？ネットで話題になってたけど、そんなに役に立つの？」
編集長「思った以上に便利だよ。自分の状況を具体的に書いて聞けば、まるで人間に相談しているように答えてくれる。Freee会計との相性もいいと思うよ。」
こうして、兄は“エンジョイ経理編集長”である弟からChatGPTの存在を教えられ、早速アカウントを作成することにしました。
4. 仕訳の迷宮：事業主貸・事業主借とは何？
4-1. そもそも「事業主貸」「事業主借」って何を表している？
Freee会計など、多くのクラウド会計ソフトでは個人事業主の「事業用」と「プライベート用」のお金の動きを区別するため、事業主貸や事業主借という勘定科目を自動的に使う場面があります。
- 事業主貸
個人（プライベート）のお金を一時的に事業に貸し付けた、あるいは事業の資金をプライベートに使った場合などに使われる科目。 - 事業主借
事業から個人にお金を渡したり、プライベート資金で事業の支払いをしたりした場合に使う科目。
実際は取引の内容によって若干の違いがあるのですが、兄は表面的に「Freeeが勝手に『事業主貸』って仕訳を作った…まぁいいか」で済ませていました。
編集長「これらの科目って、法人の『役員貸付金』や『役員借入金』みたいな感覚なんだよ。ChatGPTに聞けばもっと詳しくわかるはず。」
4-2. ChatGPTで仕訳の意味と設定を確認
兄はChatGPTに具体的に聞いてみました。
兄「こんにちは、ChatGPT。Freee会計を使って個人事業をしています。事業用クレジットカードがなくて、プライベートカードで事業経費を払うことがある場合、Freee上で『事業主借』になっています。どういう意味か教えてください。」
ChatGPTの回答要旨（例）
プライベート資金を事業の支払いに充てた場合、それは個人から事業へお金を出したことになるため、「事業主借」という勘定科目で処理します。これは個人事業主と事業が別人格であるという考え方に基づき、事業の負債（＝事業主に対する借入金）として扱われます。
兄は「なるほど…プライベートのカード＝個人の財布から事業経費を立て替えてることになるってことか」と少し納得。さらにChatGPTに補足説明を求めることで、仕訳の根拠やメリット・デメリットを理解できるようになりました。
5. ChatGPT×Freee会計で書類整理を効率化
5-1. 銀行明細やカード明細の取り込みと分類
Freee会計では、事業用口座やクレジットカードを連携すれば自動で明細を取得できます。しかし、兄の場合はプライベートカードが混在しており、カード明細をいちいち手動で分類する必要があります。
兄「こんな面倒な作業、チャットAIで効率化できないかな…？」
実際には、明細そのものの取り込みはFreeeがやってくれますが、その後の「これは事業用？プライベート用？」という振り分けで迷うときに、ChatGPTが頼りになります。
- 「飲食店Aで支払った2000円は、取引先との打ち合わせだったので会議費になる？」
- 「この支払いは完全にプライベートだから『事業主貸』処理でOK？」
といった具体的な質問を投げかけると、ChatGPTは勘定科目の考え方や注意点を解説してくれます。最終的には自分で判断しますが、短時間で答えを得られるのは助かります。
5-2. 領収書データ化のポイント
兄は領収書をスマホ撮影してFreeeにアップロードしていたものの、文字がつぶれて読めないなどの問題で後回しにすることが多かったようです。
そこで、編集長は「OCRアプリで文字起こししてテキスト化し、そのテキストをChatGPTに渡して分類の補助をさせる」方法を提案。
「これは交通費として計上可能？ この領収書は何を表してるの？」
といった疑問に対して、ChatGPTは用途や金額、日付から勘定科目を推定してくれます。あとはFreeeに最終的な仕訳を登録すれば完了です。
6. 青色申告を成功に導く節税対策
6-1. 小規模企業共済・iDeCo・青色申告特別控除
青色申告最大のメリットといえば青色申告特別控除（最大65万円）。これに加え、個人事業主やフリーランスが利用できる小規模企業共済やiDeCo（個人型確定拠出年金）などの制度を活用すると、さらに所得税・住民税を節税できる可能性があります。
兄は過去2回の青色申告では、あまり節税対策を考えていませんでしたが、今年こそはと思いChatGPTに質問。
兄「個人事業主が入れる共済や年金で、節税効果が高いものがあったら教えて。」
ChatGPT（要旨）
- 小規模企業共済：掛金全額が所得控除
- iDeCo：掛金が所得控除になり、運用益が非課税
- 生命保険料控除、地震保険料控除なども検討
こうした情報を得た兄は、小規模企業共済の掛金を増やすかどうかを検討中。ChatGPTは「メリット・デメリット」「資金繰りの観点」も教えてくれるので、最終決定前にざっくりイメージを掴むには便利です。
6-2. 最新税制のチェックにはChatGPTのウェブ検索機能で
ChatGPTは最新情報をすべて網羅しているわけではありません。ChatGPTのウェブ検索機能を使ってみましょう。国税庁サイトやニュース記事を勝手に探索して要約したり、Q&A形式で教えてくれます。
「国税庁サイトに『電子帳簿保存法の改正が○年○月から』と書いてあるけど、私の場合はどんな影響がある？」
と尋ねると、ChatGPTがポイントを簡潔にまとめてくれるので、時間を大幅に節約できます。
7. 計算ミスをChatGPTがチェック
7-1. 売上・経費・所得の再計算
Freee会計で大まかな決算書は自動生成されますが、兄は最終確認としてChatGPTに数値を入れて計算をチェックしてもらう方法を試してみました。
兄「売上が合計300万円で、経費が180万円。青色申告特別控除を65万円とすると、課税所得はどれくらいになる？」
ChatGPTの回答例（要旨）
300万円 – 180万円 = 120万円（事業所得）
そこから65万円を引いて55万円が課税所得（※基礎控除や他の控除がある場合は更に差し引く）
このように、簡単なシミュレーションを提示してくれるため、自分の計算と見比べてミスに気づきやすくなります。
7-2. チェックリストで仕上げを万全に
兄はChatGPTに「青色申告でよくあるミス」を尋ね、一覧を作成。
- 提出期限（3月15日）を過ぎないか
- 貸借対照表の作成はOKか
- 減価償却の計算漏れはないか
- 家事按分（自宅兼事務所の家賃や光熱費）などは適切に処理しているか
- 事業主貸・事業主借は正しく使えているか
- ・・・・・・・・・・
最後にこのリストを確認しながらFreee会計で申告書類を最終化。何度も曖昧だった「事業主貸」「事業主借」も、いまや兄はChatGPTの説明ですっかり納得した様子です。
8. いざe-Taxへ！ ChatGPTが入力画面をガイド
8-1. Freee会計との連携方法
Freee会計では、電子申告（e-Tax）が可能。最初はマイナンバーカードの登録やICカードリーダーの用意などで戸惑うこともありますが、ChatGPTに「e-Taxの初期設定を教えて」と具体的に尋ねることで、必要書類や手順をまとめてくれます。
兄は「いちいちマニュアル読むのが面倒」タイプでしたが、チャット形式なら質問→回答→追加質問という形で理解を深めやすいのです。
8-2. 無事提出、その後のデータ保管
編集長「提出が終わったら、Freee会計に残った仕訳データと申告書類の控えをしっかり保存しておくんだよ。あとで税務調査とかになっても慌てないように。」
兄は初めて「提出後も気を抜かず、ちゃんと書類を保管しよう」と意識できました。ChatGPTにも「青色申告後に気をつけるべきこと」を質問し、数年単位での保存義務などを再確認。
9. 税理士に見せてみたら…ChatGPT確定申告で税理士は不要？
ここまでして書類を整えた兄は、最終的に念のため税理士の知人にチェックを依頼しました。その税理士は、ほぼ完璧な仕上がりに驚嘆したようです。
税理士「Freee会計の使い方も、事業主貸・事業主借の仕訳もちゃんと理解してますね。どうやって勉強したんですか？」
兄「実はChatGPTで仕訳の意味や処理方法を何度も確認したんです。最初に教えてもらった弟（編集長）のアドバイスも役立ちましたが、ほぼAI頼みですね。」
税理士は「いずれ税理士の仕事も変わっていくのかな」と漏らしつつ、税務調査対応や高度な節税策はプロの領分であることを説明。兄も「いざというときは税理士さんに頼ろう」と思いつつ、日常的な仕訳や単純な会計作業はChatGPTとFreee会計で十分に回せそうだと感じました。
10. まとめ：AI時代の確定申告、賢く使ってラクをしよう
本記事では、Freee会計を使って3回目の青色申告に挑む兄が、「事業主貸」「事業主借」などの概念に悩みながらも、ChatGPTを活用することでスッキリ理解し、効率的に申告を仕上げる過程を紹介しました。
- ChatGPTは24時間どんな些細な質問にも対応し、スピーディーに返信。
- Freee会計の自動連携や自動仕訳機能と組み合わせることで、入力作業を最小限に。
- 「事業主貸」「事業主借」の意味をしっかり理解すれば、個人事業主のプライベートと事業の資金の分離がスムーズに。
- 節税策や最新税制の確認にはChatGPTのウェブ検索機能を使って短時間で要点を把握できる。
もちろん、最終的に複雑な判断が必要な場合や、税務調査対策・将来の経営コンサルなどは税理士の専門知識が頼りになります。ChatGPTはあくまで「有能なアシスタント」であり、自動で責任をとってくれるわけではありません。しかし、こうしたAIツールを上手に使いこなすことで、個人事業主の確定申告のハードルは劇的に下がるのではないでしょうか。
今後の展望
- AI＋会計ソフトで仕訳の精度がさらに向上し、手入力がほぼ不要になる
- 税理士の業務がよりコンサルティングや高付加価値の領域にシフト
- 個人事業主が青色申告を手軽にこなし、65万円控除の恩恵を受けやすくなる
「なんとなく毎年モヤモヤしていた青色申告が、実は結構ラクだった…」そんな時代が、すぐそこまで来ているかもしれません。
11. 免責事項
本記事は執筆時点の情報に基づき、ChatGPTやFreee会計を活用した青色申告の進め方の一例を示しています。法的・専門的アドバイスを代替するものではありません。最終的な判断や責任は読者個人に帰属し、不明点や複雑な税務処理が必要な場合は必ず税理士または税務署にご相談ください。また、税制やAI・会計ソフトの機能は随時アップデートされる可能性があるため、最新情報の確認をお願いいたします。
