税理士に聞いたシリーズ!会社設立時にクライアントにアドバイスをする5つのポイント

会社設立・起業

税理士に聞いた!

会社設立時にクライアントにアドバイスをする5つのポイント

会社設立時の注意点:成功するために知っておきたい5つのポイント

これから会社を設立しようと考えている方、もしくは個人事業主から法人化を検討している方に向けて、会社設立時の重要なポイントを解説します。特に初めて会社を設立する方にとっては、不明点が多く、不安もあるかと思います。この記事では、資本金の決め方から顧問税理士の選び方まで、押さえておきたい注意点を具体的に解説します。


1. 資本金の決め方

資本金は会社の信用力に直結します。結論から言うと、多くの場合、100万円から999万円の範囲内が適切です。この範囲で「できるだけ多く」準備するのが基本です。

最低ラインを100万円とする理由

資本金が少なすぎると信用力に欠け、例えば以下のような問題が発生します。

  • 銀行口座開設の審査に通りにくい
  • 融資に悪影響が出る
  • 決算書が債務超過になるリスク

例えば、資本金を10万円とした場合、設立初年度に10万円の赤字が出ただけで債務超過状態になります。これでは取引先や金融機関に悪い印象を与えかねません。最低でも100万円の資本金を用意しておくことをお勧めします。

上限を999万円とする理由

一方、資本金を1,000万円以上にすると、次のようなデメリットがあります。

  1. 消費税の課税事業者になる
  • 資本金が1,000万円以上の会社は、設立1期目から消費税の課税事業者となります。999万円以下であれば、免税事業者を選ぶか課税事業者を選ぶか、柔軟に決定できます。
  1. 法人住民税の均等割が高くなる
  • 資本金1,000万円超の会社は、赤字でも支払う「均等割」の税額が7万円から17万円に増加します。

以上の理由から、資本金は「100万円から999万円」の範囲内で設定するのが無難です。


2. 設立日は「1日」を避ける

設立日は月初1日を避けることをお勧めします。これは、法人住民税の均等割が月割り計算されるためです。

均等割の計算例

  • 設立日が4月1日の場合:12ヶ月分(7万円)
  • 設立日が4月2日の場合:11ヶ月分(6万4,100円)

月途中の設立日はその月を切り捨てて計算するため、わずかながら税額を節約できます。こうした細かなポイントも、長い目で見るとメリットになります。


3. 合同会社か株式会社か?

会社形態を選ぶ際、合同会社と株式会社のどちらにするか迷う方は多いでしょう。それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。

合同会社の特徴

  • 設立費用が安い(約6万円)
  • 運営がシンプル(役員任期なし)
  • 肩書きが「代表社員」

株式会社の特徴

  • 設立費用が高い(約20万円)
  • 信用力が高い
  • 肩書きが「代表取締役」

事業を大きく成長させたい、あるいは複数の従業員を雇う予定がある場合は、株式会社を選ぶのが無難です。一方で、少人数の家族経営や一人会社の場合は合同会社が適しています。

組織変更のリスク

合同会社から株式会社に変更することは可能ですが、手間とコストがかかります。最初に事業計画をしっかり考えた上で会社形態を選びましょう。


4. 顧問税理士の選び方

法人化すると、税務申告が複雑化するため、税理士との付き合いが不可欠になります。税理士選びで重視すべきポイントを解説します。

税理士選びの基準

  1. 得意分野
  • 税理士にも得意不得意があります。例えば、IT系や飲食業、製造業などの業界に精通しているかどうかを確認しましょう。
  1. 相性
  • 長期的な付き合いになるため、相性が大事です。定期的なやり取りでストレスがない人を選びましょう。
  1. 希望の伝達
  • クラウド会計を使いたい、融資に強い税理士が良いなど、具体的な希望を伝えることが重要です。

税理士とのミスマッチを防ぐには?

複数の税理士と面談し、それぞれの守備範囲や専門性を確認することをお勧めします。


5. 決算月の決め方

決算月は、会社の繁忙期を避けて設定するのが鉄則です。理由は以下の通りです。

  1. 決算予測が立てやすい
  • 繁忙期が終わった後の決算であれば、利益予測を立てやすくなります。
  1. 余裕を持った節税対策が可能
  • 売上や利益が予想以上だった場合でも、時間をかけて節税対策を講じることができます。

決算月の例

例えば、4月が繁忙期の場合、決算月を3月に設定すると良いでしょう。これにより、翌年度まで11ヶ月の余裕を持って計画を立てることができます。


まとめ

会社設立時に押さえておくべき注意点を以下にまとめます。

  1. 資本金は100万円から999万円の範囲内で設定する
  2. 設立日は1日を避ける
  3. 合同会社か株式会社か、方向性を考えて決める
  4. 税理士を選ぶ際は守備範囲と相性を重視する
  5. 決算月は繁忙期を避けて設定する

これらのポイントを押さえることで、設立後のトラブルを回避し、スムーズなスタートを切ることができます。特に初めての会社設立では、細かな注意点を見逃しがちです。本記事を参考に、ぜひ計画を立ててください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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