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【Excel】経理のプロが教えるエクセル最強テクニック:財務経理実務でよく使ったノウハウを公開!


【Excel】
財務経理実務でよく使った
ノウハウを公開!

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【はじめに:読者の問題】

「エクセルで経理処理をしているけれど、もっと効率化できる方法はないだろうか」「関数やテクニックを組み合わせるとすごく楽になるらしいけど、何をどう使えばいいのか分からない」「実務に追われて勉強する時間も限られていて、表計算ソフトなのに関数も満足に使いこなせない…」

経理業務では、膨大なデータの集計や分析、レポート作成などを、どうしてもExcel(エクセル)頼りに進めざるをえない現実があります。ところが、Excelを使いこなすのが難しく、思い通りに集計・分析・加工ができずに、結果として残業やヒューマンエラーが増えてしまうケースは珍しくありません。私も財務経理の現場にいた頃、似たような悩みに直面し続けました。


【この記事を読むとどうなるか】

本記事をご覧いただくことで、経理でよく使うエクセルの関数やショートカット、さらに表のレイアウトやデータ分析テクニックなど、押さえておきたい実践的ノウハウをまとめて学べます。実務に役立つポイントをかいつまんで解説するので、忙しい経理担当者でも気軽に取り組むことが可能です。

実務歴の長い財務経理の幹部として、多くのエクセル活用を試行錯誤してきました。その知識・経験を余すところなくまとめてお伝えします。


【具体的な解決策】

  1. 基礎編:効率化に欠かせない絶対参照・相対参照の理解とショートカット
  2. 入力・データ整形編:表示形式や入力規則を活用して誤入力を防ぐ
  3. 関数活用編:IF関数、VLOOKUP関数、COUNTIF関数など実務必須の関数
  4. データ分析編:ピボットテーブル・ピボットグラフで集計・分析を瞬時に
  5. 仕上げ編:ブックの保護や変更履歴機能などで安全性を確保し、印刷オプションもきちんと設定

【解決できる理由】

IT大手上場企業の財務経理幹部として、膨大な取引データを扱いつつ決算を乗り切ってきた中で、現場で本当に使えるエクセル操作を徹底的に試してきた経験があるからこそ、多種多様なシチュエーションで効果的なテクニックを厳選できます。現場の細かいワークフローを踏まえ、「理屈だけでなく実務に落とし込むやり方」を解説できる点が、本記事の最大の強みです。


本文

1. 経理エクセルの基礎:知っておくべき効率化の下地づくり

1-1. 絶対参照と相対参照を使いこなす

エクセルで最も初歩的かつ重要な概念が「セル参照」です。「相対参照」は、数式をコピーすると自動的に参照先がずれる仕組み。反対に、「絶対参照」はコピーしても参照セルが固定されます

ポイント
絶対参照と相対参照を誤ると、数式を下にコピーした瞬間に計算結果がおかしくなり、大混乱を招きます。IF関数やVLOOKUP関数などでは必須の考え方です。特に仕入原価のように固定のセルを参照する場合は、必ず「絶対参照」にする癖をつけましょう。

1-2. ショートカットでストレスをなくす

大量の行や列を扱う経理では、ショートカットを駆使しなければ時間がいくらあっても足りません。たとえば次のようなショートカットを習得するだけでも、驚くほど作業速度が上がります。

ポイント
「複数セルに対して同じ式や値を一度に入力する、空白セルだけを集中的に処理する」といった作業がすばやく終わり、作業効率が劇的に向上します。結果的にヒューマンエラーも減りますので、ぜひショートカットは積極的に身につけましょう。


2. 入力・データ整形編:表示形式・入力規則で誤入力を防ぐ

2-1. 表示形式で人間が見やすい表にする

会計データの桁数が多い場合は、「3桁ごとの桁区切りを付ける」「千円単位や百万円単位で表示する」「パーセント表記にする」など、「表示形式」を巧みに設定しておきましょう。Excel内部ではあくまで実際の数値が保持されているので、計算処理に影響はありません。

ポイント
実務では、「見やすい形で数値を表示しても内部計算は正確に行われる」。だからこそ表示形式を積極的に使い、チェックする人が一目で判断できるように整備するだけで、意思決定スピードが大きく変わります。

2-2. 入力規則で不正入力を未然にブロック

他部署のメンバーや、あるいは経理内で複数人が1ファイルに入力する場面も珍しくありません。誤入力を防ぐには、入力規則(データの入力規則)を使いましょう。

実務でよく使う入力規則

  1. リスト入力:プルダウンリストから選択させることで入力ミスを防止(取引先名や科目名、部門名など)
  2. 日付の範囲:たとえば「2025年4月1日以降しか受け付けない」など、集計したい期間外をブロックする
  3. 数値の範囲:売上や数量など、実際にはマイナスにはなりえない数値をマイナスで入力させないようにブロック

ポイント
「誤ったデータで決算に挑んでは、仕訳ミスや監査法人からの指摘が必ず生じる」。入力規則は数分の設定で済みます。必ず設定しておくのが賢明です。


3. 関数活用編:経理で重宝する関数をスピード習得

3-1. IF関数・AND関数・OR関数の組み合わせ

特定の条件を満たす場合にのみ「○○を表示し、それ以外なら××を表示」というロジックを構築する場合、IF関数が必須です。販売データの仕入原価を計算するとき、「もし商品カテゴリーがAなら○円で計算」といった条件分岐に使います。

ポイント
「単一条件だけでなく、ANDやORを併用することで、複雑な経理ロジックもセル数式で表現できる」。例えば取引先別・商品カテゴリ別の値引きを判定したいときにIF+ANDをフル活用し、ネスト(入れ子)させるケースはよくあります。

3-2. VLOOKUP関数で参照表から自動取得

「VLOOKUPで商品マスターや勘定科目マスターから自動参照する」のは経理の定番です。取引明細に商品IDだけを入力し、関連情報(商品名・単価・標準原価など)はVLOOKUPですぐ引っ張る、という使い方です。

ポイント
「商品名だけでなく部門名や担当者など、固定リストがあるものはマスター化しVLOOKUPで引っ張るのが基本」。ヒューマンエラーを最大限減らせるほか、集計業務も格段に楽になります。

3-3. COUNTIF/SUMIF で効率集計

データベースから「ある条件を満たす件数」や「ある条件を満たす合計」を算出する際に便利なのがCOUNTIF(カウントイフ)やSUMIF(サムイフ)。請求書データや伝票データのマトリクスを作るときにも必須です。

ポイント
「例えば担当者ごとに受注件数、商品別に売上合計を素早く出すならCOUNTIF・SUMIFが簡単かつ高速」。また、複数条件ならCOUNTIFSやSUMIFSを使えばOK。


4. データ分析編:ピボットテーブル・ピボットグラフで一瞬でレポート化

4-1. ピボットテーブルで詳細分析も瞬時に

「ピボットテーブル」は数式不要で、データベース形式の表を行や列にドラッグ&ドロップするだけでサマリー(集計表)を作れる機能。経理では売上分析や費用分析、原価差異の深掘りなどに大活躍します。

  1. まずB2:F999など、範囲を選択し「挿入」→「ピボットテーブル」
  2. 行ラベルや列ラベルに担当者・商品名などを配置
  3. 「値」に売上高や数量を配置

ポイント
「集計元がきちんとデータベース形式を満たしていれば、集計や分析はピボットテーブルでサッとやるのが最速」。フィルター欄に担当者を置けば、担当者ごとの集計を一瞬で切り替えられます。

4-2. ピボットグラフでビジュアル化

数値だけでは把握しづらい変化も、ピボットグラフを使えば瞬時に可視化できます。四半期別・担当者別のトレンドを折れ線グラフにすれば、意思決定者に一目で状況を示せます。さらにスライサーを付与すれば、GUIでクリックするだけでグラフが絞り込まれ、ミーティングの場などで実用的に活躍します。


5. 仕上げ編:書き換え防止や印刷設定で安全・確実にアウトプット

5-1. シートの保護・ブックの保護で書き換え防止

「特定セルには書き込んでもOK、他は書き換え禁止」という設定がしたいなら、シートの保護機能を使います。ロックを外すセル範囲を指定しておき、全体を保護すると、そこ以外書き込めなくなるという仕組み。さらにブックの保護をかけてパスワードで暗号化すれば、機密度の高いファイルを開く際にパスワード入力を求められるようになります。

ポイント
「決算情報や個人情報などの漏洩リスクが高いデータは、しっかりとブック保護をかけて管理」。ロックされたシートのセルは簡単には書き換えられません。

5-2. 印刷設定を整え、上司・監査法人にも分かりやすく

紙での提出が必要な場合や、監査法人への訪問時に資料を出すケースでは印刷設定が地味に重要です。

  1. ページレイアウト → 印刷タイトル → タイトル行を指定し、2ページ目以降も見出しを出す
  2. [改ページプレビュー]で余白調整し、1ページに収める列を確認
  3. ヘッダー・フッターにページ番号やファイル名を記載してトレーサビリティ確保

ポイント
「膨大なシートでも見出し行が自動表示されていれば、どこが何の項目なのか迷わない」。監査対応時のやりとりがスムーズになります。


【記事のまとめ】

まとめ

IT大手上場企業財務経理幹部として蓄積したノウハウをもとに、経理でよく使うエクセル機能や関数を一通りご紹介しました。これらを身につければ、業務が圧倒的に効率化し、データ分析・集計の精度も向上して、生産性アップとヒューマンエラー削減を同時に実現できます。

Excelは使い慣れるほどに「これほど便利なツールはない」と思えるほどの可能性を秘めています。ぜひ、自社や自身の業務に合わせて、ご紹介したテクニックをどんどん組み合わせてみてください。

もし、さらに踏み込んだ経理DXやシステム連携に興味がある方は、専門コンサルやITソリューションのサポートも検討してみましょう。既存のエクセル資産を活かしつつ、クラウド会計やRPAツールと組み合わせれば、決算早期化やバックオフィス全体の効率化がますます進みます。


【免責事項】

本記事は執筆時点における一般的なExcelの利用例をもとに構成しており、各企業・団体のシステム環境や規定等で異なる結果になる場合もあります。また、パスワード保護やデータ管理については万全を期しても不測の事態が生じる可能性があり、本記事の内容を使用したことによる損失・損害に対し、著者および当サイトは一切の責任を負いかねます。実際の運用やツール連携については、各企業・専門家の指示に従い、自己責任のもとご利用ください。

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