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【2025年最新版】投資家の確定申告で得する方法!申告分離課税vs総合課税の最適解


知らないと損!
確定申告で投資の税金を取り戻す方法
【2025年版】

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  1. はじめに
  2. 1. 確定申告とは?
  3. 2. 2025年の確定申告スケジュール
  4. 3. 株式投資・投資信託での確定申告は必要?
    1. 特定口座(源泉徴収あり)の場合
      1. 申告した方が有利になる主なケース
    2. 一般口座、特定口座(源泉徴収なし)の場合
  5. 4. 課税方式の基本:申告不要制度・申告分離課税・総合課税
  6. 5. 申告分離課税:メリット・注意点
    1. 申告分離課税とは
      1. メリット1:損益通算が可能
      2. メリット2:損失の繰越控除
      3. 注意点
  7. 6. 損益通算と損失の繰越控除:節税のキモ
    1. 6-1. 損益通算とは?
    2. 6-2. 繰越控除とは?
      1. 注意点
  8. 7. 総合課税:配当控除の有利不利を徹底検証
    1. 7-1. 総合課税とは
    2. 7-2. 配当控除
    3. 7-3. 総合課税が有利になるケース
    4. 7-4. 総合課税が不利になるケース
  9. 8. 住民税の改正と課税方式の選択:2025年の注意点
  10. 9. 給与所得者・フリーランス・専業主婦それぞれのケーススタディ
    1. ケース1:給与年収500万円程度の会社員(課税所得300万円台)
    2. ケース2:給与年収1,200万円超の会社員(課税所得900万円台)
    3. ケース3:フリーランス・課税所得200万円、配当金30万円
  11. 10. 実際の申告フローと確認書類一覧
  12. 11. 提出前にe-Taxでシミュレーションを活用する
  13. 12. よくある質問Q&A
    1. Q1. 特定口座(源泉徴収あり)で利益しかない場合、本当に申告不要でOK?
    2. Q2. NISA口座の損益は通算できる?
    3. Q3. 投資信託の分配金にも配当控除は適用される?
    4. Q4. 株式の信用取引や先物取引、FXとの損益通算は?
    5. Q5. 総合課税にすると国民健康保険料が上がるのでは?
  14. 13. まとめ:自分に合った税制優遇を選ぼう
  15. 14. 免責事項

はじめに

皆さん、こんにちは。IT大手上場企業で財務経理部門の責任者を務めていた経験をもとに、現在は「エンジョイ経理」編集長として情報発信を行っています。2025年が始まり、個人投資家の皆さんにはおなじみの「確定申告」 の時期が近づいてきました。とくに、株式投資や投資信託をしている方は、この期間をどう乗り切るかが大切ですね。

2025年分の確定申告(2024年1月1日~12月31日分)は2026年2月16日(月)から3月17日(月) が期限になる見込みです。申告期限は毎年3月中旬である点は変わりませんので、今のうちから準備を進めておきましょう。

本記事では、株式投資や投資信託で発生した利益や配当金をどの課税方式で申告すれば有利になるのか を中心に、申告分離課税総合課税 の特徴や、損益通算・損失繰越・配当控除 の具体的な活用法を解説していきます。さらに、確定申告でよく理解できない場合には、提出前にe-Tax上でシュミレーションを行う方法 についても触れていきます。

私がIT大手で培った財務経理の知見や、顧問税理士への確認事項などを踏まえ、なるべくわかりやすくまとめました。特に重要な部分は太字や段落で強調しますので、ぜひ最後まで読んでいただき、ご自身に合った課税方式選択の参考にしてください。


1. 確定申告とは?

確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に得た所得の総額と、それに対応する税額を計算し、原則として翌年の2月中旬から3月中旬までの間に税務署へ申告する手続きです。給与所得者(会社員)の多くは年末調整によって所得税が精算されるため、通常は確定申告が不要な方も多いでしょう。

しかし、以下のようなケースに該当すると、確定申告をしなければならない場合や、申告したほうが有利になる場合があります。

本記事の主な対象は、特定口座(源泉徴収あり) で株式・投資信託を取引している個人投資家の皆さまです。NISA口座の運用益は基本的に非課税となるため、原則として確定申告不要ですが、一部例外的な取扱いはありますので注意が必要です。


2. 2025年の確定申告スケジュール

2025年分(2024年1月1日~2024年12月31日)の所得に対する確定申告期間は、2026年2月16日(月)~3月17日(月) となる見込みです。毎年3月15日付近(休日の兼ね合いで前後)を期限として定められていますので、遅れないように早めの準備をおすすめします。


3. 株式投資・投資信託での確定申告は必要?

特定口座(源泉徴収あり)の場合

特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は、証券会社があらかじめ約20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税の合計)の税金を天引きしてくれます。つまり、確定申告をしなくても納税自体は完結している状態です。
ところが、「申告分離課税」 あるいは 「総合課税」 を選択して自ら確定申告することで、すでに支払った税金が一部還付される可能性もあります。

申告した方が有利になる主なケース

  1. 別の証券会社で損失がある場合
    損益通算 によって納めすぎた税金が返ってくる可能性。
  2. 配当金があり、課税所得が比較的少ない場合
    総合課税 を選択して 配当控除 を受けると、実質税率が下がり還付が受けられることがある。

一般口座、特定口座(源泉徴収なし)の場合

一般口座や源泉徴収なしの特定口座で取引した場合は、証券会社が税金を自動徴収していないため、利益がある場合には必ず確定申告が必要です。なお、損失がある場合でも申告することで繰越控除ができます。


4. 課税方式の基本:申告不要制度・申告分離課税・総合課税

株式投資や投資信託などの所得(譲渡益・配当)の課税方式には大きく分けて下記の3つがあります。

  1. 申告不要制度
    • 特定口座(源泉徴収あり)の場合、証券会社が自動で税金を徴収。
    • 損益通算・損失繰越・配当控除 は使えない。
  2. 申告分離課税
    • 給与所得等とは分離して、一律約20.315%で課税。
    • 損益通算・損失繰越 が可能。
    • 配当控除 は適用不可。
  3. 総合課税
    • 給与所得等と合算(累進課税)。
    • 配当控除 が利用できる。
    • 課税所得が低い人には有利になる可能性あり。
    • 課税所得が高い人には不利。

5. 申告分離課税:メリット・注意点

申告分離課税とは

申告分離課税は、株式や投資信託などの譲渡益や配当金を他の所得と切り離して課税する方式です。通常、特定口座(源泉徴収あり)では証券会社がこの20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税)を自動で徴収していますが、改めて確定申告で「申告分離課税」を選択すると、下記のメリットが得られます。

メリット1:損益通算が可能

複数の証券会社で取引している場合、ある口座では利益、別の口座では損失というケースは少なくありません。損益通算を行うと、利益と損失を相殺できるので、結果的に課税対象となる利益が圧縮され、払いすぎた税金が還付される場合があります。

メリット2:損失の繰越控除

1年で相殺しきれない損失は翌年以降3年間繰り越すことができます。たとえば、今年に100万円の損失が出ても、翌年以降に利益が出れば、その損失と再度相殺して課税所得を減らせるため、節税効果が高いです。
ただし、繰越控除を受ける場合は毎年継続して申告が必要 となります。

注意点


6. 損益通算と損失の繰越控除:節税のキモ

6-1. 損益通算とは?

株式や投資信託による譲渡益や配当金など、同じ申告分離課税区分の所得内で発生した「利益」と「損失」を相殺することを損益通算といいます。複数の証券会社やファンド、異なる金融商品であっても、同じ区分に属する所得であれば通算可能です。

6-2. 繰越控除とは?

損益通算で相殺しきれない損失がある場合、翌年以降3年間にわたり繰り越せます。翌年に利益が出れば、前年度からの繰越損と再度相殺できるため、翌年以降の税負担が軽減されます。繰越損を活用すれば、将来の利益を実質的に非課税化できるメリットがあるともいえます。

注意点


7. 総合課税:配当控除の有利不利を徹底検証

7-1. 総合課税とは

総合課税は、株式・投資信託の配当金を給与所得や事業所得などと合算して課税する方式です。日本の所得税は累進課税制度を採用しているため、課税所得が大きいほど税率が高まる一方、配当控除という優遇制度も受けられます。

7-2. 配当控除

配当控除は、国内株式や投資信託の配当を総合課税で申告した場合に適用される制度で、配当金に対する一部の税負担を軽減してくれるものです。具体的には、課税所得が1,000万円以下の場合は10%、1,000万円超の場合は5%の配当控除があるほか、住民税(10%)にも2.8%または1.4%の配当控除が適用されます。

7-3. 総合課税が有利になるケース

  1. 課税所得が低い場合(おおむね695万円以下など)
    • 累進課税の率が低く、配当控除を受けると実質的に税負担が大きく下がる可能性。
  2. 他に所得がない(専業主婦や学生など)
    • 基礎控除や各種控除で課税所得が小さくなり、配当金も含めてほとんど税金がかからないか、還付されるケースも。

7-4. 総合課税が不利になるケース


8. 住民税の改正と課税方式の選択:2025年の注意点

従来は、所得税と住民税で異なる課税方式を選択できるという裏技(例えば「所得税は総合課税、住民税は申告不要」)が使われることもありました。しかし、令和5年分以降(2023年分申告以降)からは、原則として所得税と住民税の課税方式を同一にすることが求められています。

したがって、2025年も基本的には「所得税だけ配当控除を受けて、住民税は申告不要とする」というような使い分けは認められなくなっているのでご注意ください。自治体ごとの取り扱い差異はありますが、国税庁のアナウンスに沿う形で整備が進んでいます。


9. 給与所得者・フリーランス・専業主婦それぞれのケーススタディ

ここでは、代表的な3つの立場からケーススタディを紹介します。自分の所得状況に近い例を参考にしてください。

ケース1:給与年収500万円程度の会社員(課税所得300万円台)

申告不要の場合

申告分離課税

総合課税(配当控除あり)

ケース2:給与年収1,200万円超の会社員(課税所得900万円台)

申告分離課税

総合課税

ケース3:フリーランス・課税所得200万円、配当金30万円

申告分離課税

総合課税(配当控除10%)


10. 実際の申告フローと確認書類一覧

  1. 証券会社から「年間取引報告書」を入手
    • 特定口座(源泉徴収あり)でも、損益通算や繰越損を使いたい場合は取得を忘れずに。
  2. 配当金のお知らせ・支払通知書の確認
    • 受取方法が銀行振込の場合も、証券会社や銀行から郵送される通知書を保管。
  3. 源泉徴収票(給与所得者の場合)
    • 会社で年末調整していても、配当を総合課税にするなら合計所得の計算が必要。
  4. 経費や医療費、ふるさと納税の控除証明など
    • 他の控除もまとめて申告する場合には関連書類を集める。
  5. 確定申告書B / 分離課税用第三表
    • 国税庁サイトの「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxソフトを使うと、項目に沿って入力するだけで自動計算される。

11. 提出前にe-Taxでシミュレーションを活用する

「申告分離課税」と「総合課税」のどちらを選んだらよいのか、実際にシュミレーションしてみないと判断が難しい場合が多々あります。給与所得や事業所得の金額、配当金額、繰越損の有無など、個々の状況によって税額が大きく変動するためです。

そこでおすすめしたいのが、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使ったシミュレーションです。

特に配当金がある方は、配当控除でどのくらい税負担が減るのか、源泉徴収で完結させたままにするのとどちらがお得かをシミュレーションできます。面倒に思える手続きでも、一度入力してみると意外な節税効果が発見できるかもしれません。


12. よくある質問Q&A

Q1. 特定口座(源泉徴収あり)で利益しかない場合、本当に申告不要でOK?

A. はい、放置していても納税は完結しています。ただ、別口座の損失と相殺したり、配当控除で還付を受けたりできる可能性があるので、一度試算するとよいでしょう。

Q2. NISA口座の損益は通算できる?

A. NISA口座で発生した損益は、基本的に非課税対象なので通算できません。また、損失が出ても他の口座との相殺は不可です。

Q3. 投資信託の分配金にも配当控除は適用される?

A. 公募株式投資信託の「普通分配金」であれば、配当控除が受けられます。一方、「特別分配金(元本払戻金)」は非課税部分なので申告対象外です。

Q4. 株式の信用取引や先物取引、FXとの損益通算は?

A. 株式の信用取引や先物取引については、同じ申告分離課税の範囲で損益通算できる場合がありますが、FX(店頭外国為替証拠金取引)は「先物取引に係る雑所得等」に分類されるため、厳密には株式譲渡益(譲渡所得)とは区分が異なります。詳細は税務署や税理士にご確認ください。

Q5. 総合課税にすると国民健康保険料が上がるのでは?

A. はい、上がる可能性があります。所得が増えるほど国民健康保険料や住民税も上昇するため、配当控除で得られるメリットより保険料の増額が大きい場合は損になることも。十分シミュレーションして判断してください。


13. まとめ:自分に合った税制優遇を選ぼう

最終的には、ご自身の所得状況を踏まえたシミュレーションが不可欠です。とくに「損益通算・繰越損失・配当控除」をうまく使えば、数万円~数十万円単位で税金が変わることも珍しくありません。面倒でも一度試算し、納得のいく節税策を実践しましょう。


14. 免責事項

本記事は、筆者(エンジョイ経理編集長)がIT大手上場企業の財務経理部門で培った知見や、顧問税理士への確認をもとにまとめた情報を提供するものです。具体的な税制上の取扱いや節税効果は、個人の状況によって大きく異なる場合があります。法改正や各種政令・通達の変更などにより、最新情報と異なる可能性もあるため、実際の申告や税金に関する判断については税理士や税務署などの専門家にご相談ください。本記事の内容を参考にして行われた行動の結果について、筆者や当サイトは一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。


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