【freeeで管理会計】人事労務と会計を連携して給与業務を効率化!部門別管理でミスを削減する実践

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給与関連

【freeeで管理会計】
人事労務と会計を連携
給与業務を効率化!
部門別管理でミスを削減する実践

人事労務と会計を連携して給与取引を部門別に仕分けすると、経理担当者の業務効率が大幅に向上し、ミスの予防にもつながります。特にfreee人事労務とfreee会計を併用している場合、部門マッピングの設定を行うだけで給与取引を自動で部門別仕訳に分割してくれます。しかし、部門設定や複数部門(兼務)従業員の扱い、端数が生じるケースなど、知っておきたいポイントも多数存在します。本記事では、IT大手上場企業の財務経理経験者がこれまでのノウハウを活かして、部門連携における手順・注意点・メリットを徹底解説します。給与計算や経理をスムーズに進めるためのポイントをぜひご活用ください。



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1. 部門連携のメリットとは?

経理の実務では、「人件費をどの部門がどれだけ使っているか」を正確に把握することが重要です。部門ごとの人件費を分けると、正確な原価計算、事業部門ごとの収益分析、管理会計の精度向上など多くのメリットがあります。

  • メリット1:管理会計の精度向上
    各部門ごとのコストが明確になるため、収益性の高い部門や改善余地のある部門を特定しやすくなります。
  • メリット2:経営判断が迅速に
    部門別データをリアルタイムで把握できれば、経営者や管理者が方針転換や追加投資のタイミングを素早く見極められます。
  • メリット3:経理担当者の負担軽減
    毎月発生する給与仕訳をシステムで自動連携することで、手入力や二重入力の手間を削減し、記載ミスを防ぐことができます。

とても重要なポイント:
freee人事労務とfreee会計を連携し、部門タグをマッピングしておくと、「給与明細確定 → 会計連携」の流れに合わせて仕訳が自動作成されます。これにより、経理業務が大幅に効率化するだけでなく、ヒューマンエラーも減少します。


2. 部門マッピング前に準備すべきこと

2-1. freee人事労務の部門設定

最初に、freee人事労務側で部門や役職をきちんと登録しておきましょう。

  • 部門を複数階層にしたい場合、あらかじめfreee人事労務の「部門・役職設定」で上位部門と下位部門を設定します。
  • 従業員ごとに部門を割り当て、兼務がある場合は複数部門を登録しますが、この兼務分は会計連携時に注意が必要です(後述)。

2-2. freee会計の部門タグ準備

一方で、freee会計にも部門を表す「部門タグ」を用意しておく必要があります。

  • 子部門を持つ部門タグ(親部門)は仕訳作成時に直接設定できない仕様があります。マッピングする際は、子部門として設定しているタグをマッピング対象とするよう注意してください。

とても重要なポイント:
人事労務の部門と会計の部門タグは、それぞれのプロダクトで扱い方が異なるため、名称や階層構造が整合するように十分確認する必要があります。


3. 部門マッピング設定手順:freee人事労務×freee会計

ここでは、freee会計で行う設定方法を説明します。

  1. freee会計にログインし、画面右上の「設定」メニューを開き、「部門の設定」を選択します。
  2. 「人事労務部門とのマッピング」タブをクリックすると、freee人事労務で登録した部門名が一覧表示されます。
  3. マッピングしたい人事労務の部門をクリックすると、右側に「会計の部門」プルダウンが表示されます。
  4. まだマッピングされていない場合は「未マッピング」と出ますので、対応させたい会計の部門タグを選択します。
  5. 「保存する」ボタンを押して設定は完了です。

とても重要なポイント:

  • 上位部門でマッピングをしても、自動的に下位部門には反映されません。一つずつ手動で設定しましょう。
  • 部門タグをマッピングしていない場合は、給与取引に部門タグが付与されない状態で連携されます。

4. 給与明細を確定し、部門別仕訳を会計に連携する流れ

4-1. 給与明細の確定

まず、freee人事労務側で給与明細を確定します。確定を行わないと会計側にデータは連携できません。

4-2. 自動登録/手動登録の選択

給与明細を確定したタイミングで、会計側への仕訳連携が「自動登録」か「手動登録」か選択できます。

  • 自動登録: 給与明細を確定し、「freee会計に連携」を実行した瞬間に、freee会計へ仕訳が作成されます。
  • 手動登録: 給与明細を確定し、「freee会計に連携」した後、freee会計側の「給与取引の登録」画面にアクセスし、そこで「登録」ボタンを押したタイミングで仕訳が作成されます。

4-3. 連携された仕訳を確認

freee会計に連携が完了すると、

  • 「取引」メニュー →「取引の一覧・登録」を開くと、「給与の取引」と「社会保険料の取引」が部門タグごとに作成されていることを確認できます。
  • 「レポート」→「試算表」や「月次推移」で部門を選択して集計すれば、部門別の人件費を簡単に把握できます。

5. 端数処理の取り扱い:部門連携時に気をつけたいポイント

5-1. なぜ端数が出るのか

freee人事労務とfreee会計では社会保険料の端数処理の方法が異なるため、部門合計との差額が生じる場合があります。その差額が部門タグの付かない端数行として、会計に取引が作成されるケースがあるのです。

5-2. 端数行の対処方法

端数行が発生した場合、特に問題がなければそのままにしておいても問題はありません。

  • もし、どこかの部門に含めたい場合は、手動で該当する取引に部門タグを付与しましょう。
  • 端数の計算式や他に端数取引が作成されるケースについては、公式ヘルプページ「人事労務・会計の部門連携をした給与取引の社会保険料(事業主負担分)に、端数が出るのはなぜですか?」を参照すると詳細を確認できます。

とても重要なポイント:
部門別分析をしっかり行いたい場合は、端数行が少額でもどこかの部門に割り振ってしまうと試算表などでより精緻な管理が可能になります。


6. 部門の反映タイミングに関する留意点

  • freee人事労務: 給与明細を確定する月の給与締め日時点の部門設定が適用されます。
  • freee会計: 給与取引を作成した時点での部門マッピング設定が反映されます。

したがって、たとえば以下のようなケースでは注意が必要です:

  • 人事労務側の部門設定を変更したが、会計側で部門マッピングを更新しないまま、過去の給与を再確定して再度仕訳を作成した場合
  • 人事労務側で部門を削除や追加したが、会計側でマッピングを忘れている場合

こうした場合、最新のマッピング設定がそのまま反映されてしまい、意図しない部門タグが付与されたり、部門なしになってしまうことがあります。


7. 複数部門(兼務)従業員への対処法

freee人事労務で、ある従業員を複数部門に所属させている場合、その従業員の給与取引は部門タグが付与されずに取り込まれます。自動では分割仕訳されないため、必要に応じて会計側で部門ごとに人件費を手動で振り分けることになる点に注意しましょう。

とても重要なポイント:

  • 兼務設定の従業員が多い場合、給与明細確定後に会計側での手動修正を要するため、手間がかかる可能性があります。
  • もし一部門にまとめて計上するのではなく、部門配分を正確に行うなら、従業員ごとにどれくらいの割合で勤務しているか等、社内でルールを決めておくことが望ましいです。

8. 人事労務と会計を連携する際の注意点・よくある質問

8-1. 部門タグの階層は連携される?

  • freee人事労務側の階層構造は、そのまま会計側の階層構造に反映されません。それぞれで個別に設定しておき、「人事労務部門とのマッピング」画面で対になる部門タグを選択します。

8-2. 過去の給与を再確定したら、正しい部門に反映されない?

  • 前述の通り、再確定した時点で最新の会計側マッピングが適用されるため、過去に存在しなかった部門タグが付与される、または逆に部門なしとして取り込まれる可能性があります。気になる場合は手動で修正してください。

8-3. 端数行は勘定科目も違うの?

  • 通常は社会保険料(法定福利費)などの端数に発生するため、勘定科目は同じですが部門タグが付いていない状態で仕訳が起きることがあります。金額が大きくない限り、管理上大きな支障にはなりません。

8-4. 人事労務側のプランに制限はある?

  • freee人事労務全プランで利用可能です。ただし、会計側のプランによっては部門管理の範囲に違いがあるため、事前に対応プランを確認してください。

9. 免責事項

本記事は、筆者の実務経験を踏まえた一般的な情報提供を目的としています。システム仕様や税務・労務・法務に関する最終判断は、常に最新の公式ドキュメントや専門家への確認を優先してください。具体的な手続きや申告などについては、税理士、社会保険労務士、弁護士といった専門家へご相談いただくことをおすすめします。また、本記事の内容によって生じたいかなる損害についても筆者および本サイトは責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。


以上が、人事労務と会計を連携する際に知っておきたいポイントと設定方法です。部門連携を行うことで、企業の管理会計や経理業務の効率を大幅に改善し、正確な部門別人件費の把握が可能になります。特に端数処理や兼務従業員、過去給与の再確定時などは注意点が多いので、ぜひ上記の内容を参考に正しく運用してみてください。


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