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【2025年最新版】激変の年末調整!令和7年提出分で5万円損しないための変更点3つと申告書の書き方・注意点を徹底解説

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【2025年最新版】激変の年末調整!令和7年提出分で5万円損しないための変更点3つと申告書の書き方・注意点を徹底解説 税金実務教育

こんにちは!坂本公認会計士です。皆さん、年末調整と聞くと「今年も面倒な季節が来たか…」と、ちょっと憂鬱な気分になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。複雑な書類を前に、何から手をつけていいか分からず、ついつい後回しにしてしまう気持ち、とてもよく分かります。

しかし、今年の令和7年(2025年)提出分の年末調整は、いつもとは一味違います。税制改正によって控除のルールが激変し、知らずにいると約5万円もの所得税を払いすぎてしまう可能性があるんです。逆に言えば、しっかりと変更点を把握し、正しく申告すれば、その払いすぎた所得税が手元に戻ってくる大きなチャンスでもあるのです。

「年末調整なんて会社がやってくれるもの」と思っていませんか?実は、皆さんの手取り額に直結する重要な手続きであり、特に今年の改正は、より多くの方が恩恵を受けられるように設計されています。例えば、これまで扶養控除の対象外だったご家族が、今回の改正で対象になるかもしれません。それはつまり、皆さんの所得税が安くなり、結果として手取り額が増える可能性があるということ。

でも、この恩恵は自ら申告しなければ受けられません。会社のシステムで申請する場合でも、変更点の詳細な説明がないこともありますよね。

そこで、この記事では、皆さんが今年の年末調整で損することなく、しっかりと還付を受けられるよう、以下のポイントを分かりやすく、人間らしい口調で徹底解説していきます。

  • 年末調整の基本と、なぜ毎年行うのか

 

  • 令和7年度税制改正による年末調整の「激変」ポイント3つ

 

  • 所得税と住民税、改正の適用時期の違い

 

  • 控除の種類と、申告漏れでどれくらい損するのか

 

  • 主要な申告書「丸扶」「丸給特所」「丸ホ」の「超」詳細な書き方

 

  • 年末調整で絶対に損しないための最終チェックポイント

今年の年末調整は、皆さんの「お財布」に直結する大切な手続きです。ぜひこの記事を最後まで読んで、今年の年末調整を賢く乗り切り、払いすぎた税金を取り戻しましょう!

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令和7年(2025年)年末調整、なぜ今から知るべき?【5万円の還付チャンス】

まず最初に、「そもそも年末調整って何?」という基本的な疑問から解決していきましょう。年末調整とは、会社が皆さんの給与などから毎月天引きしている「所得税」を、1年間の正確な収入と控除に基づいて計算し直し、過不足を調整する手続きのことです。

多くの会社員の方は、この年末調整によって「還付」、つまり払いすぎた所得税が返ってくることが多いんです。なぜかというと、会社は毎月の給与から所得税を天引きする際、その時点での情報に基づいて「見込み」で計算しています。ボーナスなどによって年収が変動したり、生命保険料やiDeCoなどで控除が増えたりすると、毎月天引きされていた税額と、本来納めるべき税額との間に差が生まれるため、年末にその差を調整する必要があるのです。この調整の結果、多くの場合、皆さんは所得税を払いすぎている状態になっており、年末調整でそれが手元に戻ってくる、というわけです。

その金額は個人差がありますが、平均で約5万円とも言われています。ちょっとしたお小遣いになりますよね!

ここで、よく混同されがちな「収入」と「所得」の違いについても触れておきましょう。

  • 収入:会社員の方であれば、額面の給与の総額を指します。

 

  • 所得:収入から「各種控除」を差し引いた金額が「所得」です。所得税は、この「所得」に対して計算されます。

「控除」とは、皆さんの税金負担を軽くする仕組みのこと。例えば、扶養している家族が多ければ多いほど出費は増えますよね。そのような個々の事情を考慮して、所得税の計算対象となる所得を減らすことができます。控除額が多ければ多いほど、課税される所得は少なくなり、結果として所得税の金額も安くなる、という仕組みです。今年の税制改正では、この「控除」のルールが大きく変わるため、皆さんの手取り額に直接影響する重要なポイントとなります。

また、年末調整と似て非なるものに「確定申告」があります。

  • 年末調整:会社が皆さんの代わりに税務署に対して行う手続きです。主に扶養控除、基礎控除、生命保険料控除、住宅ローン控除の2年目以降などが対象です。

 

  • 確定申告:皆さんが個人で税務署に対して行う手続きです。年末調整で申告できる内容の全てに加え、医療費控除、住宅ローン控除の初年度、寄付金控除(ふるさと納税のワンストップ特例を適用し忘れた場合や6自治体以上に寄付した場合など)、特定の雑所得などが対象となります。

ざっくりと覚え方としては、「会社がすでに知っていそうな情報」は年末調整、「会社が申告しないと知らなそうな情報(例:個人的な医療費、株の売買益など)」は確定申告、と考えると分かりやすいでしょう。

皆さんの正確な控除額を知るための書類、それがこれから解説する年末調整の申告書です。この書類に正しい情報を記載することが、払いすぎた所得税を取り戻す第一歩となります。年末調整の重要性、ご理解いただけましたでしょうか?

【速報】令和7年度税制改正の3つの「激変」ポイント

いよいよ、今年の令和7年提出分の年末調整に大きく関係する、税制改正の主なポイントについて解説します。今回の改正は、物価高騰が続く現代社会において、国民の税負担を軽減し、手取り額を増やすことを目的としたものです。特に注目すべきは次の3つの変更点です。

1. 所得税の基礎控除の引き上げ
* 基礎控除とは、原則として全ての納税者に共通して認められている、所得税を安くする仕組みです。これまでの48万円から、最高58万円に引き上げられます。なんとプラス10万円です!
* さらに、年収200万円以下の方など、一定の収入額よりも少ない方には、段階的に控除額が上乗せされる仕組みが導入されます。例えば、年収200万円以下の方であれば、58万円に37万円が上乗せされ、合計で95万円もの控除が受けられるようになります。これは非常に大きな変化と言えるでしょう。

2. 給与所得控除の最低保障額の引き上げ
* 給与所得控除は、会社員やアルバイト・パートの方など、給与を受け取る全ての人に自動的に認められている控除です。これも、以前の55万円から65万円に引き上げられます。プラス10万円です。
* 先ほどの基礎控除の引き上げと合わせると、合計でかなり大きな控除額の増加となり、その結果、ほとんどの方の課税所得が下がり、手取り額が増える計算になります。

3. 大学生年代のお子さんの親への特別控除の創設
* これは今回の改正で新たに創設された、非常に重要な控除です。年齢が19歳から22歳のお子さん(大学生であるかどうかは関係ありません)がいる親御さん向けの特別控除となります。
* これまでの制度では、扶養しているお子さんがアルバイトなどで一定額以上の収入を得ると、親の扶養から外れてしまい、親の所得税負担が大きく増えるという問題がありました。
* この問題を救済するため、お子さんの給与収入が150万円以下であれば、63万円の控除が受けられるようになります。また、お子さんの給与収入が150万円を超えた場合でも、これまでは一律で控除の対象外となっていましたが、今回の改正からは控除額が段階的に減らされる形となります。これにより、いわゆる「働き損」の感覚が軽減され、お子さんもより安心して働けるようになるでしょう。

これらの改正ポイントを総合すると、控除額が増え、扶養の範囲が広がることで、多くの方が所得税の負担を軽減できるようになります。手取り額の増加や、これまで扶養控除の対象外だった方が対象になる可能性、さらには「103万円の壁」の撤廃(実質的に160万円の壁へ)といった効果が期待されており、働き方の選択肢も広がる良いニュースです。ただし、「超えてはいけない年収の壁」(103万円→160万円の壁、106万円・130万円の壁の真実)は残るため、年収をいくらで抑えるかについては引き続き検討が必要です。

【最重要注意点】
これらの控除は、自動的には適用されません!皆さんが会社に提出する年末調整の申告書に、正確な情報を記載して初めて反映されるのです。だからこそ、今年の年末調整はいつも以上に「しっかり申告する」ことが大切なのです。

令和7年度税制改正はいつから適用?【所得税と住民税の違い】

今回の令和7年度税制改正が、皆さんの税金にいつから適用されるのか、ここも非常に重要なポイントです。所得税と住民税では、適用されるタイミングが異なりますので注意が必要です。

  • 所得税の適用時期:2025年12月から

* 今回解説する改正は、2025年1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して適用されます。
* 具体的には、2025年12月に行われる年末調整、もしくは、年末調整で申告し忘れた場合や、年末調整の対象外の方が自ら行う2026年2月中旬から3月中旬の確定申告によって、払いすぎた所得税が還付される可能性があります。
* 例えば、これまで年収150万円で所得税が発生していた方でも、2025年の所得に対しては改正後の新しい控除額が適用され、税金が返ってくる、あるいは非課税になる可能性が出てきます。

  • 住民税の適用時期:2026年6月から

* 住民税は「後払い」の税金です。そのため、2025年の所得に基づいて計算された住民税は、その翌年である2026年6月から2027年5月までの期間に納めることになります。
* したがって、住民税への影響は、所得税よりも少し遅れて、2026年6月以降の住民税額に反映されることになります。
* 年末調整や確定申告を経て、皆さんの住民税の金額が計算され、毎年6月頃に自治体から「住民税決定通知書」が届きますので、そこで確認することができます。

【住民税に関する注意点】
今回の基礎控除の引き上げは、所得税のみに適用されます。住民税の基礎控除は、従来通り変更がありませんので、この点も混同しないようご注意ください。所得税と住民税の適用時期と内容の違いをしっかり理解し、適切なタイミングで申告を行うことが大切です。

年末調整で控除できるもの総まとめ!【申告漏れで大損回避】

「控除」は、皆さんの所得税を安くし、手取り額を増やすための大切な仕組みです。年末調整で申告できる主な控除を一覧で見てみましょう。これらを知ることで、年末調整へのモチベーションもグッと上がるはずです!

  • 配偶者控除: 最大38万円

 

  • 扶養控除: 最大63万円(特定扶養親族の場合)

 

  • 基礎控除: 最高58万円(今回の改正で引き上げ!)

 

  • 生命保険料控除: 最大12万円

 

  • 地震保険料控除: 最大5万円

 

  • 社会保険料控除: 支払った全額

 

  • 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoなど):支払った全額

 

  • 医療費控除: (確定申告のみ)

 

  • 寄付金控除(ふるさと納税など): (確定申告のみが主)

 

  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除): 2年目以降は年末調整で可能

これらは皆さんの税金負担を大きく軽減してくれるものです。しかし、これらの控除は自ら申告しなければ適用されません

控除申請に必要な書類やデータも、今のうちから準備しておきましょう。

  • 生命保険料控除:保険会社から届く控除証明書

 

  • 地震保険料控除:保険会社から届く控除証明書

 

  • 小規模企業共済等掛金控除(iDeCo、個人年金など):各機関から届く支払い証明書やハガキ、電子発行データ

 

  • 配偶者特別控除:配偶者の源泉徴収票など収入証明書(特に必要に応じて)

 

  • 住宅ローン控除(2年目以降):税務署から送付される「住宅借入金等特別控除申告書」と、金融機関から届く「借入金の年末残高証明書」

 

  • 社会保険料控除(給与天引き以外):国民年金保険料控除証明書など

 

  • 同じ年に転職した場合:前職の源泉徴収票(退職後約1ヶ月以内に受け取れます)

これらの書類は、年末調整の時期になると郵送されてくるものが多いですが、紛失してしまったり、届かない場合もあるので、早めに確認し、必要であれば再発行の手続きを行いましょう。

そして、皆さんが会社に提出する主要な申告書は、主に次の3つです。
1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(通称:丸扶
2. 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書(通称:丸給特所
3. 保険料控除申告書(通称:丸ホ
また、該当者のみ住宅借入金等特別控除申告書が必要です。

これらの書類に記入漏れや間違いがあると、せっかくの還付チャンスを逃してしまいます。
例えば、個人差はありますが、こんなケースを想像してみてください。
夫が会社員で年収500万円、妻がパートで年収100万円だったとします。もし夫が年末調整で妻の扶養申告(配偶者控除)を忘れてしまったらどうなるでしょうか?なんと夫は、所得税を約4万円も多く納めることになってしまうんです(これは妻の基礎控除38万円の申告を忘れた場合を想定)。4万円は非常に大きな金額ですよね。

だからこそ、控除の申告は年末調整でしっかり行うことが何よりも大切なのです。

【徹底解説】令和7年年末調整申告書の「超」詳細な書き方

お待たせしました!ここからが今回の記事の最大の山場、年末調整の申告書の書き方を一つ一つ、丁寧に解説していきます。速報性を重視するため、画像への言及は一切含めませんので、文章での説明に集中して読んでみてください。お手元に今年の申告書があれば、ぜひ一緒に確認しながら進めていきましょう。

今回は、主要な申告書3つと、該当者のみの住宅ローン控除申告書について解説します。ご自身に該当しない箇所は読み飛ばしていただいても大丈夫です。

1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(通称:丸扶)の書き方

この「丸扶」は、所得税を安くする扶養親族の数を会社に申告する書類です。お給料をもらっている方の配偶者や、お子さん、その他の親族などで、扶養対象になる方を記入していきます。この書類の記載内容によって、皆さんの所得税を安くする控除の金額が決まりますので、しっかり記載しましょう。

「扶養控除」という名前ではありますが、扶養家族がいない独身の方も、この書類の提出は必須です。また、2箇所以上の会社で働いてお給料をもらっている方は、メインの勤務先1箇所のみでこの申告を行うことができます。もう1つの勤務先については、ご自身で確定申告が必要です。

書類は上から順に以下の項目で構成されています。
1. ご本人の情報(氏名、住所、会社名など)
2. 扶養している配偶者に関する情報
3. 配偶者以外の扶養しているご家族に関する情報
4. ご本人、もしくは同じお財布で生活をしている配偶者、または扶養している家族が障害者の場合に関する情報
5. ご本人以外がご家族を扶養している場合に関する情報(夫婦で夫の扶養に子供が入っている場合など)
6. 16歳未満の扶養親族に関する情報
7. 今年退職金等をもらった配偶者や扶養親族に関する情報

この中で、必ず全員共通で必須なのは「ご本人の情報」の欄のみです。その他の項目については、該当者のみが記載します。

また、2番から5番は所得税に関する申告、6番から7番は住民税に関する申告となります。年末調整自体は所得税に関する申告ですが、例えば16歳未満の扶養親族は所得税・住民税では扶養控除が受けられないものの、各種給付金などの判定に利用されることがあるため、住民税の項目も記載が必要となります。

では、具体的な書き方を見ていきましょう。

書類上部の基本情報欄

  • 「税務署長」:勤務先の所轄の税務署名を記入します。ご自宅の近くの税務署ではありません。ほとんどの場合、会社がすでに記入しているでしょう。

 

  • 「市区町村長」:ご自身がお住まいの市区町村名を記入します。

 

  • 「給与の支払者の名称(氏名)」:勤務先の法人名(個人事業主の場合は屋号や事業主の氏名)を記入します。会社が記入していることがほとんどです。

 

  • 「法人番号」:会社が記入しますので空欄で構いません。

 

  • 「給与の支払者の所在地(住所)」:会社の本社の住所を記入します。支店や営業所に勤務している場合でも、本社の住所を記載します。空欄の場合はご自身で記入してください。

ご本人の情報欄

  • 「あなたの氏名」「フリガナ」:ご自身の氏名を記入します。

 

  • 「あなたの個人番号(マイナンバー)」:記載するかどうかは会社によって指示が異なります。会社の指示に従ってください。

 

  • 「あなたの住所」:2026年1月1日時点での見込み住所を記入します。年末に引っ越し予定がある場合は、引っ越し先の住所になります。

 

  • 「あなたの生年月日」:和暦で記入します。

 

  • 「世帯主の氏名」:ご自身の世帯主の氏名を記入します。

 

  • 「あなたとの続柄」:ご自身と世帯主との続柄を記入します。

 

  • 「配偶者の有無」:法的に婚姻関係にある配偶者がいる場合に「〇」を付けます。ここでいう配偶者の有無は、控除対象かどうかに関わらず記入が必要です。

 

  • 「従たる給与についての扶養控除等申告書の提出」:勤務先が2つ以上ある方で、すでにメインではない勤務先にこの申告書を提出している場合は「〇」を付けます。勤務先が1つだけの場合は空欄で構いません。

源泉控除対象配偶者の欄
この欄は、「源泉控除対象配偶者」に該当する場合のみ記入します。

  • 対象条件

* ご本人の合計所得金額の見積もり額が900万円以下(給与収入にすると1095万円以下)。
* かつ、配偶者の合計所得金額の見積もり額が95万円以下(給与収入にすると160万円以下)であること。
* これらの条件を全て満たし、法的に婚姻関係のある配偶者がいる場合に、配偶者控除または配偶者特別控除を受けられます。

  • 記入方法

* 「氏名」「フリガナ」:配偶者の氏名を記入します。
* 「個人番号(マイナンバー)」:記載の要否は会社の指示に従ってください。
* 「生年月日」:配偶者の生年月日を和暦で記入します。
* 「合計所得金額の見積額」:配偶者の今年1年間の合計所得金額の見積もり額を記入します。配偶者の給与明細などを参考に、できるだけ正確に記入しましょう。

源泉控除対象親族の欄
この欄は、配偶者以外の扶養親族について記入します。

  • 対象条件

* 配偶者以外で、給与所得者と「生計をいつにする方」(同じお財布で生活している方。仕送りをしているお子さんも該当します)。
* 扶養する方の合計所得金額の見積もり額が100万円以下(給与収入にすると165万円以下)であること。
* 平成23年1月1日以前生まれ(16歳以上)であること。
* 青色事業専従者として給与が支払われていない、および白色事業専従者ではないこと(家族経営の事業でお給料をもらっていないこと、とざっくり考えてください)。

  • 令和8年分からの変更点

* 令和8年分(2026年分)からは、これまでの控除対象扶養親族に加え、特定親族のうち合計所得金額が100万円以下の人もこの欄に記入することになります。

  • 記入方法

* 「氏名」「フリガナ」:扶養親族の氏名を記入します。
* 「個人番号(マイナンバー)」:会社の指示に従ってください。
* 「続柄」:ご自身との続柄を記入します。
* 「生年月日」:扶養親族の生年月日を和暦で記入します。
* 「非居住者である親族」:親族が国内に住居を持たず、1年以上国内に住んでいない場合に「〇」を付けます(令和5年1月からの条件変更に注意)。該当する場合は、別途親族関係書類などの添付が必要です。
* 「令和8年中の所得の見積額」:親族の今年1年間の合計所得金額の見積もり額を記入します。
* 「配当等」:該当する場合は記入します。
* 「区分」:
* 老人扶養親族(70歳以上):昭和32年1月1日以前生まれの方。
* 「同居老親等」:ご本人または配偶者の直系尊属(父母、祖父母など)で、同居している場合にチェック。
* 「その他」:同居老親等に該当しない場合にチェック。
* 特定親族(19歳以上23歳未満):平成16年1月2日から平成20年1月1日までに生まれた方。
* 所得見込み額が58万円以下(給与収入123万円以下)の場合は「特定扶養親族」。
* 所得見込み額が58万円超100万円以下(給与収入123万円超165万円以下)の場合は「特定親族」。
* 現時点でどちらになるか不明な場合は、令和7年度までの所得を参考に記入し、年内に変更があった場合は令和8年の年末調整で変更を記入します。
* 「住所」:親族の住所を記入します。同居している場合は「同上」で構いません。
* 「異動月日及び事由」:令和8年中に扶養親族に変更があった場合に記入しますが、年末調整提出時は空欄で構いません。

障害者、寡婦、ひとり親または勤労学生の欄
ご自身や、同一生計配偶者、扶養親族に該当する場合に記入します。

  • 障害者

* 「区分」:ご自身が障害者の場合は「本人」、同一生計配偶者が障害者の場合は「控除対象配偶者」、扶養親族が障害者の場合は「扶養親族」の該当箇所に「〇」を付け、人数を記入します。障害控除は16歳未満の扶養親族も対象です。
* 「特別障害者」:重度の障害がある方を指します。
* 「同居特別障害者」:特別障害者で、かつご本人と同居している方を指します。
* 該当する箇所にチェックを付けます。

  • 寡婦(かふ)またはひとり親

* 寡婦:配偶者と死別または離婚後に再婚せず、一定の要件を満たす方などを指します。
* ひとり親:独身で扶養親族がいて、一定の要件を満たす方などを指します。
* ご自身が該当する場合は、「寡婦」または「ひとり親」の該当箇所にチェックを付けます。

  • 勤労学生

* ご自身が勤労学生で、一定の要件を満たす場合にチェックを付けます。

  • 詳細情報欄

* 障害者の場合は、障害者の氏名、障害の程度、手帳などの種類、交付年月日など詳しい情報を記載します。勤務先によっては障害者手帳などのコピー提出を求められる場合があります。その他の欄は空欄で構いません。

他の所得者から控除する扶養親族の欄
ご本人が年末調整をするが、お子さんが配偶者の扶養に入っているなど、ご本人以外の所得者が扶養控除を受ける場合に記入します。

  • 扶養親族の「氏名」「続柄」「生年月日」「住所」を記入します。

 

  • 控除を受ける他の所得者の「氏名」「続柄」「住所」を記入します。異動事由の欄は空欄で構いません。

16歳未満の扶養親族の欄
16歳未満の扶養親族は児童手当が支給されるため、所得税の扶養控除の対象外です。しかし、この欄に記載することで情報が市区町村に通知され、住民税の計算や各種給付金の判定に利用されます。記載漏れがあると給付金を受け取れない可能性もあるため、必ず記載しましょう。

  • 「氏名」「フリガナ」:お子さんの氏名を記入します。

 

  • 「個人番号(マイナンバー)」:会社の指示に従ってください。

 

  • 「続柄」:例えば「子」と記入します。

 

  • 「生年月日」:お子さんの生年月日を和暦で記入します。

 

  • 「住所」:お子さんの住所を記入します。同居の場合は「同上」で構いません。

 

  • 「対象国外扶養親族」:お子さんが外国に住んでいる場合に「〇」を付けます。この場合、親族関係書類と送金確認書類の提出を求められることがあります。

 

  • 「令和8年中の所得の見積額」:お子さんの今年1年間の合計所得金額の見積もり額を記入します。隣の欄は空欄で構いません。

これで「丸扶」の記入は完了です。

2. 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書(通称:丸給特所)の書き方

この「丸給特所」は、名前の通り、基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、所得金額調整控除、そして今回の改正で加わった特定親族特別控除の4種類の申告書が1つになったものです。書類は1枚ですが、記載内容は4箇所に分かれています。この書類も、所得税を安くするための所得控除を会社に申告する重要な書類です。

上から順に以下の項目で構成されています。
1. ご本人の情報(氏名、住所、会社名など)
2. ご本人の基礎控除申告書
3. 配偶者控除等申告書
4. 特定親族特別控除申告書(今回の改正で新設!)
5. 所得金額調整控除申告書

この中で、ご本人の「基礎控除申告書」は、年末調整を受ける方であればほぼ全員が記入する必要がある項目です。その他の項目は該当者のみ記入します。

書類上部の基本情報欄

  • 「税務署長」:会社の所轄税務署名を記入します。ほとんどの場合、会社がすでに記入しているでしょう。

 

  • 「給与の支払者の名称(氏名)」「法人番号」「所在地(住所)」:会社が記入していることがほとんどです。所在地は本社住所を記入します。

 

  • 「あなたの氏名」「あなたの住所」:ご自身の氏名と住所を記入します。

給与所得者本人の基礎控除申告書欄
この欄は、年末調整を受ける方であればほぼ全員が記入する内容です。令和7年から税制改正で基礎控除額が大幅に変更されているため、特に注意が必要です。

  • 「(1)給与所得の収入金額」:今年の1年間の給与収入(額面総額)の見込み額を記入します。会社がすでに記入していることもあります。未記入の場合は、今年の給与明細や前年の源泉徴収票などを参考に記入しましょう。ダブルワークで勤務先が2つある場合は、それぞれの給与収入を合計して記入します。

 

  • 「(2)給与所得の金額」:給与収入から「給与所得控除」(給与収入に応じた経費のようなもの)を引いた金額を記入します。申告書の裏面に計算方法が記載された表がありますので、そちらを参考に計算してください。

 

  • 「(3)給与所得以外の所得の合計額」:給与収入以外に副業での事業収入、不動産賃貸収入、株の配当・売却益などがある場合に、その所得の合計額を記入します。特に他の収入がない場合は「0」と記入しましょう。会社に副業を知られたくない方は、申告が必要な収入かどうかご自身で確認することをお勧めします。

 

  • 「(4)所得金額の合計額」:上記(2)と(3)の合計額を記入します。

 

  • 「基礎控除の額」の計算:上記(4)で計算した所得の合計金額を元に、区分1(A、B、C)を判定し、該当する区分を「区分1」の欄に記入します。この区分は、配偶者控除などの判定にも必要です。最後に、判定した区分に基づき、基礎控除の額(今回の改正で最高58万円)を「基礎控除の額」の欄に記入します。

給与所得者の配偶者控除等申告書欄
配偶者控除または配偶者特別控除を受けられる方が記入します。

  • 対象条件

* ご本人の給与所得が1100万円以下(給与収入が1195万円以下)。
* かつ、配偶者の給与所得が1330万円以下(給与収入にすると201.6万円未満)。

  • 記入方法

* 「配偶者の氏名」「フリガナ」「個人番号(マイナンバー)」「生年月日」:配偶者の情報を記入します。同居している場合は住所の記入は不要です。
* 「非居住者である配偶者」:配偶者が日本以外の国に住んでいる場合に「〇」を付けます。この場合、「生計をいつにする事実」の欄に令和7年中に送金した合計金額を記入し、送金関係書類などの添付が必要です。
* 「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」:ご本人の基礎控除申告書と同じ要領で、配偶者の「給与所得の収入金額」「給与所得の金額」「給与所得以外の所得の合計額」「所得金額の合計額」を記入します。
* 「区分2」:配偶者の所得金額の合計額に基づき、配偶者に該当する区分(1~4)をチェックし、「区分2」の欄に記入します。
* 「配偶者控除の額または配偶者特別控除の額」:ご本人の基礎控除申告書で判定した区分1(A~C)と、ここで判定した区分2(1~4)を、申告書に記載されている控除額の表に当てはめて、控除額を算出し記入します。

給与所得者の特定親族特別控除申告書欄
今回の税制改正で新しく創設された、大学生年代のお子さんを持つ親御さん向けの控除です。

  • 対象条件

* 年齢が19歳以上23歳未満のお子さん(19歳から22歳。学生であるかは問いません)。具体的には平成16年1月2日から平成20年1月1日生まれの方。
* 配偶者以外で、給与所得者と「生計をいつにする方」(仕送りをしている場合も対象)。
* 扶養しているお子さんの合計所得金額の見積もり額が58万円超188万円以下(給与収入にすると123万円超188万円以下)であること。
* 青色事業専従者または白色事業専従者ではないこと(ご家族の事業を手伝っていて、そこからお給料をもらっていない場合などに該当します。会社員の場合は対象外と考えてください)。
* この控除は、最大で63万円の控除が受けられ、以前のように一定額を超えたらすぐに控除対象外となるのではなく、段階的に控除額が減少します。

  • 記入方法

* 「特定親族の氏名」「フリガナ」「個人番号(マイナンバー)」「続柄」「生年月日」:お子さんの情報を記入します。同居している場合は住所の記入は不要です。
* 「非居住者である特定親族」:お子さんが外国に住んでいる場合に「〇」を付け、送金関係書類などの添付が必要です。親族関係書類は「丸扶」で添付していれば省略可能です。
* 「特定親族の本年中の合計所得金額の見積額」:ご本人の基礎控除申告書と同じ要領で、お子さんの「給与所得の収入金額」「給与所得の金額」「給与所得以外の所得の合計額」「所得金額の合計額」を記入します。
* 「特定親族特別控除の額」:特定親族の所得金額の見積もり額から、申告書に記載されている控除額の表に当てはめて控除額を算出し、記入します。

所得金額調整控除申告書欄
特定の条件に該当する方が受けられる控除です。

  • 対象条件

* ご自身の給与収入が850万円を超えている
* かつ、以下のいずれかに該当すること:
* 23歳未満(平成15年1月2日以降生まれ)の扶養親族がいる。
* ご自身、または同一生計配偶者、扶養親族に特別障害者がいる。

  • 控除額:給与収入(最大1000万円)から850万円を差し引いた金額の10%相当額が、ご自身の給与所得金額から控除されます(最大15万円)。給与収入が850万円以下の場合は対象外なので記入は不要です。

 

  • 記入方法

* 「要件」:該当する項目にチェックを付けます。
* 「扶養親族等の氏名」「個人番号(マイナンバー)」「生年月日」「住所」「続柄」:該当する扶養親族や配偶者の情報を記入します(ご自身が特別障害者の場合は記入不要)。同居の場合は住所は不要です。
* 「配偶者または扶養親族の所得の見積額」:該当者の所得の見積もり額を記入します。
* 「特別障害者に該当する事実」:ご自身または扶養親族が特別障害者に該当する場合は、障害手帳の種類、交付年月日、障害の等級などを記入します。

これで「丸給特所」の記入は完了です。

3. 保険料控除申告書(通称:丸ホ)の書き方

この「丸ホ」は、所得税を安くするための保険料の控除額を会社に申告する書類です。主に以下の保険料を支払った方が対象となります。

  • 生命保険料控除(一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料)

 

  • 地震保険料控除

 

  • 社会保険料控除(給与から天引きされているもの以外)

 

  • 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoなど)

火災保険や自動車保険などの損害保険は、原則として控除の対象外です。また、会社の給与から天引きされている健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料は、会社がすでに把握しているため、この書類への記入は不要です。

該当する保険料の支払いがない場合は、この書類の提出は不要ですが、会社によっては空欄で提出を求められる場合もあるので、会社の指示に従ってください。

重要なのは、支払った保険料の合計額がそのまま所得税の金額から引かれるわけではない、ということです。それぞれ控除額の計算式や上限額がありますので注意しましょう。

書類上部の基本情報欄

  • 「税務署長」「給与の支払者の名称(氏名)」「法人番号」「所在地(住所)」:会社が記入していることがほとんどです。

 

  • 「あなたの氏名」「あなたの住所」:ご自身の氏名と住所を記入します。

生命保険料控除の欄
この欄は、一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3つに分かれています。これら3つの合計で、最大12万円の所得控除を受けることができます。保険会社から届く「生命保険料控除証明書」を手元に準備して、それを見ながら記入しましょう。

  • 一般の生命保険料

* 「保険会社の名称」:加入している保険会社の名前を記入します。長い場合は省略しても大丈夫です。
* 「保険等の種類」:定期保険、終身保険など保険の種類を記入します。
* 「保険期間または年金支払期間」:証明書に記載されている期間を記入します。
* 「保険等の契約者の氏名」:原則、ご自身の名前を記入します。控除対象となるのは、ご自身で支払った保険料です。
* 「保険金等の受取人の氏名」:証明書に書かれていない場合は保険証券を確認しましょう。控除を受けるためには、受取人がご自身、または配偶者や親族である必要があります。
* 「新・旧の区分」:証明書に記載されている「新制度」または「旧制度」の区分に「〇」を付けます。
* 「本年中に支払った保険料の金額」:証明書に記載されている対象保険料を転記します。
* 「給与の支払者の確認欄」:会社側で利用しますので記入は不要です。
* 複数の保険に加入している場合は、上記をそれぞれ記入します。欄に書ききれない場合は、控除の限度額に達していれば全て書く必要はありませんが、達していない場合は2枚目以降の用紙を使用するか、会社に確認してください。
* 「新保険料の合計額(A)」「旧保険料の合計額(B)」:それぞれ合計金額を記入します。
* 控除額の計算:申告書に記載されている計算式(新保険料と旧保険料で異なります)に、それぞれの合計額を当てはめて「新生命保険料控除額(C)」「旧生命保険料控除額(D)」を算出します。
* 「生命保険料控除額(E)」:(C)と(D)の合計額、または(D)の金額、いずれか大きい方を比較して記入します(申告書に計算方法が記載されています)。

  • 介護医療保険料

* 介護医療保険料は、控除証明書に「介護医療」と記載されているものが対象です。記入方法は一般の生命保険料とほぼ同じです。
* 保険会社名、種類、期間、契約者、受取人、保険料を記入し、合計額を算出します。
* 合計金額を計算式に当てはめて、算出した「介護医療保険料控除額(F)」を記入します。

  • 個人年金保険料

* 記入方法は一般の生命保険料とほぼ同じです。
* 保険会社名、種類、期間、契約者、受取人、新旧区分、保険料を記入し、新旧それぞれの合計額を算出します。
* 新旧それぞれの合計額を計算式に当てはめて、算出した「個人年金保険料控除額(G)」を記入します。

生命保険料控除の合計額
一般生命保険料(E)、介護医療保険料(F)、個人年金保険料(G)の各控除額を合計して記入します。合計額が12万円を超える場合は、上限は12万円です。

地震保険料控除の欄
地震保険料控除は、地震保険契約を結び、保険料を支払っている場合に最大5万円の控除を受けることができます。火災保険とセットで加入することがほとんどですが、控除の対象となるのは地震保険の部分の保険料のみです。こちらも「地震保険料控除証明書」を手元に準備して記入しましょう。

  • 「保険会社の名称」「保険の種類」「保険期間」:証明書を見ながら記入します。保険の種類には「地震(建物)」や「地震(家財)」などと記入します。保険期間は1〜5年が一般的です。

 

  • 「契約者の氏名」:ご自身の名前を記入します。控除を受けるためには、ご自身またはご自身と生計をいつにする親族が契約者である必要があります。

 

  • 「保険契約の対象となっている家屋等を利用している者の氏名」:保険の対象となっている家屋や家財を利用している人の氏名を記入します。

 

  • 「旧長期・短期・地震の区分」:証明書に記載されている区分(地震、旧長期など)に「〇」を付けます。

 

  • 「本年中に支払った保険料の金額」:証明書に記載されている対象保険料を転記します。加入時に一括で支払った保険料の場合、一括払い込み期間で割った金額が控除対象になることがありますので注意しましょう。

 

  • 「給与の支払者の確認欄」:会社側で利用しますので記入は不要です。

 

  • 「地震保険料(A)」「旧長期損害保険料(B)」:それぞれ合計額を記入します。

 

  • 控除額の計算:「地震保険料控除額」の欄に、(A)の金額をそのまま転記します。(B)の金額が10,000円以下の場合は(B)の金額をそのまま、10,000円を超える場合は(B)の金額×1/2+5,000円で計算した金額を記入します(計算式は書類内にも記載)。

 

  • 「合計」:地震保険料控除額の合計を記入します。合計額が5万円を超える場合は、上限は5万円です。

社会保険料控除の欄
給与から天引きされている社会保険料(健康保険、厚生年金など)は会社が把握しているため記入不要です。この欄に記入するのは、給与天引き以外でご自身が直接支払った社会保険料です。国民年金や国民健康保険料などが該当します。ご自身と生計をいつにするご家族の分であっても、ご本人が支払っていれば控除の対象となります。

  • 「保険の種類」:国民年金、国民健康保険など、支払った保険料の種類を記入します。

 

  • 「支払先の名称」:日本年金機構、〇〇県〇〇市(国民健康保険の場合)など、支払先の名称を記入します。

 

  • 「保険料を負担すべき者の氏名」:例えばお子さんの国民年金をご自身が支払った場合は、お子さんの氏名を記入します。

 

  • 「本年中に支払った金額」:証明書に書かれている金額を転記します。

 

  • 「合計金額」:支払った社会保険料の合計金額を記入します。この合計金額が社会保険料控除額となります。

小規模企業共済等掛金控除の欄
iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済などに加入している場合に、支払った掛金全額が所得控除の対象となります。

  • 「小規模企業共済等掛金」:小規模企業共済の掛金を支払った場合、払い込み証明書に書かれている金額を記入します。

 

  • 「企業型確定拠出年金」:ご自身で掛金を拠出している場合に記入します。会社を通して拠出している場合は会社が把握しているため記入不要です。

 

  • 「個人型確定拠出年金(iDeCo)」:iDeCoに加入し、掛金を支払っている場合は、払い込み証明書に書かれている金額を全額記入します。

 

  • 「心身障害者扶養共済制度」:加入している場合は、払い込み証明書の金額を記入します。

 

  • 「合計金額」:支払った掛金の合計額を記入します。この合計金額が小規模企業共済等掛金控除額となります。

これで「丸ホ」の記入は完了です。大変お疲れ様でした!

4. 住宅借入金等特別控除申告書(2年目以降)

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した際、一定の要件を満たせば所得税から控除を受けられる制度です。

  • 1年目:初年度は必ず確定申告を行う必要があります。

 

  • 2年目以降:年末調整で申告することが可能です。

必要な書類
1. 住宅借入金等特別控除申告書:「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書 兼 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という正式名称の書類です。通常、初年度に確定申告を行っていれば、2年目以降の分が毎年秋頃に税務署から郵送されてきます
2. 借入金の年末残高証明書:住宅ローンを借り入れている金融機関から毎年郵送されてきます

これらの書類を基に、住宅ローン控除申告書に各項目を記入し、会社に提出することで、2年目以降の住宅ローン控除が適用されます。書類の指示に従い、残高証明書の内容を正確に転記して記入しましょう。

令和7年(2025年)年末調整で絶対に損しないための最終チェックポイント5選

ここまで、今年の年末調整の変更点と申告書の書き方を詳しく解説してきました。最後に、皆さんが絶対に損することなく、最大限の還付を受けられるように、最終チェックポイントを5つにまとめました。

1. 扶養控除の対象が増えていないか、再度確認しましょう!
* 今回の税制改正で、扶養控除の範囲が広がった可能性があります。特に、これまで対象外だったご家族が、所得の上限額の変更により、「丸扶」の源泉控除対象親族の欄に記載できるようになっていないか、もう一度確認してください。
2. 新設された特定親族特別控除の対象がいないか、見落としなくチェック!
* 「丸給特所」の特定親族特別控除申告書の欄です。年齢が19歳から22歳のお子さんがいる親御さんは、今回新設されたこの控除の対象となる可能性が非常に高いです。お子さんの今年の収入見込み額を確認し、要件を満たしているか必ず確認しましょう。
3. 基礎控除額、配偶者控除・配偶者特別控除の計算は正確に行いましょう!
* 基礎控除額の引き上げや、配偶者控除・特別控除の所得要件は、皆さんの「丸給特所」の記入に直結します。ご自身の所得、配偶者の所得の見込み額をできるだけ正確に算出し、申告書内の表を活用して適切な控除額を導き出してください。
4. 必要な証明書や書類の添付漏れがないか、最終確認を!
* 生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、iDeCoの支払い証明書、住宅ローンの年末残高証明書など、添付が必要な書類は揃っていますか?紛失している場合は、早めに各機関に連絡して再発行の手続きを取りましょう。添付書類がないと、控除が受けられません。
5. 不明な点があれば、早めに会社の年末調整担当者へ確認を!
* 年末調整は複雑で、どうしても不明な点が出てくるものです。自己判断で誤った情報を記載すると、修正申告の手間が増えたり、過少申告加算税が課されたりする可能性もあります。疑問に思ったことは、迷わず会社の年末調整担当者や、税務署、税理士といった専門家に相談しましょう。

年末調整は、皆さんの「お財布」に直接影響する大切な手続きです。特に今年は制度が大きく変わりますので、このチェックリストを活用して、確実に、そして賢く年末調整を乗り切りましょう。

まとめ

今回の記事では、令和7年(2025年)提出分の年末調整がいかに激変するのか、その背景にある税制改正のポイントから、約5万円もの還付チャンスを逃さないための申告書の書き方、そして注意点まで、徹底的に解説してきました。

所得税の基礎控除引き上げ給与所得控除の最低保障額引き上げ、そして大学生年代のお子さんを持つ親御さんへの特定親族特別控除の新設は、皆さんの手取り額を増やす大きなチャンスです。しかし、これらの恩恵は、「丸扶」「丸給特所」「丸ホ」といった申告書に、皆さんが自ら正しい情報を記載して初めて適用されます。申告漏れは、そのまま損につながってしまいます。

面倒に感じるかもしれませんが、この記事で紹介した詳細な書き方を参考に、一つ一つの欄を丁寧に埋めていけば、決して難しいことではありません。不明な点は、早めに会社の担当者に確認し、間違いのないように手続きを進めてください。

今年の年末調整は、ただの事務作業ではありません。皆さんの努力と知識が、未来の「お財布」を豊かにする投資となるでしょう。ぜひこの記事を役立てて、賢く年末調整を乗り切り、払いすぎた所得税をしっかりと取り戻してくださいね。皆さんの手取り額アップを心から応援しています!


免責事項

本記事は、令和7年度税制改正に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の税務処理や個別の状況に対するアドバイスを提供するものではありません。税法は頻繁に改正され、個々の状況によって適用されるルールが異なります。記載されている情報は、公開時点での信頼できる情報源に基づいておりますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。実際の年末調整や確定申告に際しては、必ず国税庁の最新情報をご確認いただくか、税務署、税理士、または会社の年末調整担当者などの専門家にご相談ください。本記事の情報を利用したことによるいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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