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経理部門の人手不足を解消する!AI・IT活用で未来を拓く実践的ロードマップ

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イントロダクション

経理部門の人手不足は「待ったなし」の経営課題

皆さん、こんにちは!エンジョイ経理編集長の〇〇です。

突然ですが、皆さんの会社では、経理部門の人手不足に頭を悩ませていませんか?
現在の経済環境下、多くの企業でこの問題が深刻化していると、私のもとにも多くの相談が寄せられています。慢性的な業務負荷、それによるミス発生のリスク増大、そして何より、経営判断の遅れ。これらは企業の成長を阻害するだけでなく、最悪の場合、存続すら危うくする可能性を秘めていると私は強く感じています。
しかし、私はこの危機を悲観的に捉えるべきではないと考えています。むしろ、経理業務を根本から見直し、効率化・高度化する絶好のチャンス、未来への投資機会だと捉えるべきです。

本記事で得られること:未来を拓く解決策ロードマップ

本記事では、「簿記でなく実践的な経理・税務・投資・起業」をテーマとするエンジョイ経理の編集長として、皆さんの悩みに寄り添い、経理部門の人手不足という課題の根本原因を深掘りしていきます。そして、AIやITツールを戦略的に活用した、具体的かつ実践的な解決策をロードマップ形式で詳細に解説します。

単なる情報提供に留まらず、明日から皆さんの会社で実践できる具体的なステップ、他の企業がどのように成功を収めたのかという事例、そしてこの変革を成功させるための心構えまでを網羅していきます。この記事を読み終える頃には、あなたの会社の経理部門が、単なるコストセンターではなく、持続的に成長し、未来を切り拓くための戦略的なプロフィットセンターへと変貌を遂げる道筋が明確になっていることでしょう。さあ、人手不足を「未来への投資機会」と捉え、攻めの経理部門を一緒に構築していきましょう!経理の未来を切り拓くロードマップはこちらから詳細をご確認いただけます。

経理部門の人手不足が企業に与える深刻な影響

経理部門の人手不足は、単に「業務が回らない」というレベルに留まりません。企業の信用、経営のスピード、そして従業員の士気にまで、広範囲にわたる深刻な影響を及ぼします。私も長年、多くの企業の経理部門を見てきましたが、その影響の大きさに驚かされるばかりです。

業務負荷増大とミス・不正リスクの高まり

人手が足りない状況では、残業時間の増加は避けられません。経理担当者は疲弊し、心身の健康を損なうことさえあります。これにより、業務の品質低下は避けられず、計上ミスや支払遅延といった問題が発生しやすくなります。私も、ある中小企業で経理担当者がたった一人で業務を抱え込み、疲弊からミスが増え、最終的に追徴課税という痛い経験をしたケースを見てきました。
さらに深刻なのは、チェック体制が手薄になることで、内部不正が発生するリスクが高まることです。このような問題は、企業の信用失墜や追徴課徴といった直接的なダメージだけでなく、最悪の場合、事業停止にまで追い込まれる事態にも発展しかねません。

経営判断の遅延と機会損失

経理部門は、企業の「今」を数字で可視化し、未来の方向性を示す羅針盤のような役割を担っています。しかし、人手不足で月次・年次決算の遅延が常態化したり、予算実績管理が停滞したりすれば、経営層へのタイムリーな情報提供ができません。
私がアドバイスしているある企業では、決算が大幅に遅れたため、新規事業への投資判断が遅れ、競合他社に先を越されて大きなビジネスチャンスを逸失してしまいました。市場の変化が激しい現代において、迅速な意思決定が阻害されることは、企業の競争力低下に直結し、将来的な成長の機会を失うことにもなりかねないのです。

従業員のモチベーション低下と離職の連鎖

慢性的な業務過多は、従業員の心身の健康を損ない、モチベーションを著しく低下させます。毎日同じルーティンワークに追われ、新しい知識を学ぶ時間やスキルアップの機会も失われがちです。
優秀な人材ほど、自身の成長を追求できる、より良い環境を求めて離職する傾向が強まります。そうなると、残された人員の負荷がさらに増大し、「また誰かが辞めるのではないか」という不安から、さらにモチベーションが低下する。まさに悪循環、負の連鎖に陥ってしまうのです。一度この状態に陥ると、組織の立て直しには相当な時間と労力を要します。

人手不足の根本原因を理解する

目の前の人手不足にだけ目を向けるのではなく、その根本原因を理解することが、持続可能な解決策を見つける第一歩となります。私はこの数年、特に以下の3つの要因が複合的に絡み合っていると感じています。

少子高齢化と経理人材の枯渇

日本全体が抱える少子高齢化は、労働人口の減少という形で、経理部門にも大きな影を落としています。特に、長年の経験と専門知識を持つベテラン経理人材の引退が進む一方で、若年層が経理職を魅力的なキャリアパスと捉えにくくなっている傾向が見られます。
これにより、採用市場では経理人材の獲得競争が激化し、特に特定の地域や中小企業においては、求人を出してもなかなか応募が集まらない、という状況が常態化しています。これは単なる一過性の問題ではなく、構造的な課題として認識し、対応していく必要があります。

業務の複雑化・属人化とIT化の遅れ

インボイス制度や電子帳簿保存法など、近年、税制や会計に関する法改正が頻繁に行われ、経理業務は年々複雑さを増しています。その対応が、特定のベテラン担当者にしか分からない「属人化」した状態になっている企業は少なくありません。
また、依然として昔ながらの紙ベースでの作業や、Excelでの手作業に頼りきっている企業も多く見受けられます。最新のITツールやAI技術が進化し続ける中で、それらを適切に導入しきれていない企業ほど、業務効率が悪く、少ない人数で増え続ける業務に対応しきれないという状況に陥っているのです。私は、ここにこそ変革の大きなチャンスがあると見ています。

採用・育成コストと時間の課題

新しい経理人材の採用には、求人広告費、人材紹介会社への手数料、そして入社後の教育研修費など、多大なコストがかかります。さらに、新入社員が企業の業務フローを理解し、一人前に育つまでには、早くても半年、通常は1年以上という相応の時間を要します。
特に中小企業では、採用活動にかけられる時間や費用といったリソースが限られているため、優秀な人材の確保と育成が大きな課題となりがちです。採用してもすぐに辞めてしまう、といった事態になれば、そのコストと時間の損失は計り知れません。

【実践ロードマップ】経理部門の人手不足を解消する5つのステップ

さあ、ここからが本番です。私が多くの企業にアドバイスしてきた経験と、最新のテクノロジー動向を踏まえ、経理部門の人手不足を解消し、未来の経理部門を構築するための実践的な5つのステップをご紹介します。これは、皆さんの会社の経理部門が「攻め」の姿勢に転換するための具体的な道筋です。

ステップ1: 業務の「見える化」と課題の特定

どんな改革も、まずは現状を正しく理解することから始まります。私も多くの企業でこの「見える化」の重要性を痛感してきました。

業務プロセスの可視化とボトルネック分析

まずは経理部門で行われている全ての業務を洗い出し、それぞれの業務がどのような流れで、誰が、いつ、何を、どのように行っているのかを具体的に文書化し、業務フロー図を作成して「見える化」します。この際、単に経理部門内の業務だけでなく、営業部門からの請求書連携、購買部門からの支払い依頼など、他部署や外部との連携業務も対象とすることが極めて重要です。そうすることで、時間や工数が過剰にかかっているボトルネック業務を客観的に特定できるようになります。例えば、月末に特定の作業に時間が集中している、といった具体的な課題が見えてくるでしょう。

既存ITツールの活用状況と属人化の特定

現在利用している会計ソフト、Excelの複雑な集計シート、その他導入済みのシステムが、その本来の機能通りに活用されているか、徹底的に確認します。意外と、導入したものの使いこなせていない機能が多いものです。
そして、特定の担当者しか使いこなせない「属人化」している業務はないか、洗い出します。もしその業務が離職リスクになった場合に事業継続に支障をきたさないか、潜在的なリスクを評価します。この段階で、例えば「〇〇さんしか知らないExcelのVBAマクロがある」といった具体的な問題点が浮き彫りになるはずです。

ステップ2: 業務の標準化と徹底した簡素化

「見える化」で課題が特定できたら、次はその業務自体を見直し、誰でも迷わずできるように標準化し、同時にムダを徹底的に排除していきます。

マニュアル化とナレッジ共有の徹底

業務の「見える化」で特定した業務フローに基づき、標準的なマニュアルを作成します。これは、単なる手順書ではなく、判断基準やよくある質問なども盛り込んだ、実践的な「業務の地図」と呼べるものです。これにより、誰でも同じ品質で業務を行えるようになり、特定の個人への依存(属人化)を解消できます。
また、作成したマニュアルや蓄積されたノウハウは、Google WorkspaceやMicrosoft 365の共有ドライブ、社内Wikiなどのツールを活用して全員がアクセスできる形でナレッジとして共有しましょう。これは新人教育の負担を大幅に軽減するだけでなく、業務の透明性を高め、チーム全体のスキルアップにも繋がります。

承認フローの見直しとムダの排除

皆さんの会社では、本当に必要な承認ばかりが行われていますか?過剰な承認段階や、形骸化した不必要なチェック業務は、業務遅延の大きな原因となります。リスクレベルを考慮しつつ、承認フローを簡素化・電子化できないか徹底的に検討しましょう。
同時に、定型的なデータ入力、単純な転記作業、紙の書類を探す時間など、付加価値の低い「ムダ」な業務を洗い出し、徹底的に排除することを考えます。この「ムダ」をなくすことが、後述するAIやITツールの導入効果を最大化するための重要な土台となります。

ステップ3: AI・ITツールの戦略的導入と活用

いよいよ、現代の技術を活用し、経理部門の生産性を飛躍的に向上させるステップです。これは、単なるツール導入ではなく、経理部門の未来を創るための「戦略的投資」だと捉えてください。

クラウド会計・経費精算システムの連携

会計ソフト、経費精算システム、請求書発行システムなどをクラウド化し、それぞれをAPI連携で繋ぐことで、データ入力の自動化や承認フローの電子化を強力に推進できます。私も多くの企業でこの連携による効果を見てきましたが、紙ベースの処理が劇的に減り、大幅な時間削減と入力ミスの防止に繋がります。例えば、社員が経費を申請すれば、自動で仕訳が作成され、上長承認後、会計システムに連携される、といったシームレスな体験は、経理担当者の負担を大きく軽減します。

RPAによる定型業務の自動化と効果測定

RPA(Robotic Process Automation)は、PC上で行われる定型的な繰り返し作業をソフトウェアロボットに学習させ、自動化するツールです。Webサイトからのデータ収集、複数のシステムへの入力、定型レポートの作成、特定のメールの自動振り分けなど、経理業務における単純作業をRPAに置き換えることで、人間はより高度で付加価値の高い業務に集中できるようになります。導入後は、必ず「どれだけの時間が削減されたか」「ミスがどの程度減ったか」といった効果測定を行い、さらなる改善へと繋げるPDCAサイクルを回すことが重要です。「未来を創る:AI時代の業務革新 – プログラミングとRPAの力」でも詳しく解説しています。

生成AI活用による高度業務支援(レポート、データ分析)

ChatGPTやGeminiなどの生成AIは、経理業務の高度化に革命をもたらす可能性を秘めています。例えば、財務諸表のデータを取り込み、自動で分析レポートのドラフトを作成させたり、複雑な契約書の要点を瞬時に要約させたり、税務に関する一般的な質問への一次回答を生成させたりすることも可能です。
さらに、VBAやGAS(Google Apps Script)などのプログラミング支援にも活用でき、自社独自の自動化ツール開発のハードルを下げます。生成AIを「優秀な秘書」や「強力なブレイン」として活用することで、経理担当者はルーティンワークから解放され、経営戦略への提言や財務分析など、より戦略的な役割を担うことができるようになります。ChatGPTのビジネス活用術100選で、さらに具体的な実践テクニックをご覧ください。

AI-OCRによる紙証憑処理の効率化

紙の領収書や請求書の山に埋もれていませんか?AI-OCRは、紙の証憑をスキャンするだけで、文字情報を自動で読み取り、データ化する技術です。これにより、手入力によるミスをなくし、データ入力にかかる時間を大幅に短縮できます。
特に電子帳簿保存法への対応が義務化される中で、AI-OCRはペーパーレス化を強力に推進し、保管コストの削減、検索性の向上にも大きく貢献します。データ化された情報は、クラウド会計システムと連携させることで、さらに業務効率を高めることが可能です。

VBA/GASによる内製化とカスタマイズ

高額な外部システム導入が難しい場合でも、既存のExcel業務やGoogleスプレッドシートの業務において、VBA(Visual Basic for Applications)やGAS(Google Apps Script)を活用することで、定型作業を自動化できます。例えば、複数のシートからのデータ集計、特定の条件に基づくデータ抽出、外部データとの連携など、自社の業務に合わせたカスタマイズされた自動化ツールを内製することが可能です。これにより、費用を抑えつつ、高い業務効率化を実現し、社員のITスキル向上にも繋がります。私も、このVBA/GASを活用して、多くの中小企業が独自の業務改善を実現するのを支援してきました。具体的なExcel VBAの活用事例はこちらで詳しく解説しています。

ステップ4: 組織体制の見直しと経理DX人材育成

ツールを導入するだけでは不十分です。それを使いこなし、さらに発展させるための「人」と「組織」の変革が不可欠です。

シェアードサービスや兼務体制の検討

複数の事業部門やグループ会社がある場合、各部門や会社でバラバラに行われている経理業務を「シェアードサービスセンター」に集約することで、業務の標準化、専門性の向上、そしてコスト削減を図れます。これは大手企業だけでなく、中小企業グループでも有効な戦略です。
また、中小企業では、経理業務の一部を他部門の社員が兼務できるよう、研修やマニュアル整備を行うことも有効です。例えば、営業担当者が経費精算を自らシステム入力し、経理部門はチェックと承認に注力するといった形で、業務負荷を分散できます。

経理DX人材のリスキリングとキャリアパス提示

既存の経理担当者に、AI・ITツールを活用できる「経理DX人材」へとリスキリング(再教育)する機会を積極的に提供しましょう。プログラミング教育(VBA/GASなど)、データ分析研修、クラウドツールの使い方に関するトレーニングなどを通じてスキルアップを支援します。
自動化された業務の運用や改善、さらには経営戦略への参画といった、より付加価値の高い新たなキャリアパスを明確に提示することで、従業員の定着率向上とモチベーション維持に繋げることができます。「経理の仕事はルーティンばかり」というイメージを払拭し、成長意欲を刺激するのです。

採用戦略の見直しと魅力的な職場環境構築

新しい人材を獲得するためには、採用市場での競争に打ち勝つ必要があります。経理職の魅力を再定義し、働きがいのある職場環境を整備することが不可欠です。リモートワークの導入、フレックスタイム制、積極的なリスキリング支援などは、求職者にとって非常に魅力的な要素となります。
特に若手人材に対しては、「AI時代を生き抜く新しい経理」としての成長機会や、企業の変革に貢献できるというやりがいを具体的にアピールしましょう。従来の「地味な仕事」というイメージを刷新し、将来性のある職種として売り出すことが重要です。

ステップ5: 外部リソースの最適な活用戦略

自社ですべてを抱え込む必要はありません。専門家の力を借りることも、人手不足解消の賢い戦略です。

経理業務アウトソーシングの活用判断

会社のコア業務ではない定型的な経理業務(記帳代行、給与計算、振込代行など)は、専門業者にアウトソーシングすることで、人件費の削減と業務品質の安定化を図れます。自社の経理担当者は、より戦略的な業務や、自社にしかできない分析業務に集中できるようになります。アウトソーシングを検討する際は、費用対効果だけでなく、情報セキュリティや業務品質、将来的な拡張性なども考慮して慎重に業者を選定することが大切です。

税理士・会計士による戦略的サポート

税理士や公認会計士は、単に税務申告や決算書の作成を代行するだけではありません。経営相談、資金調達のサポート、M&Aにおけるデューデリジェンスなど、企業の成長戦略において多岐にわたるサポートが可能です。
単なる顧問契約に留まらず、経理部門のDX推進パートナーとして、どのITツールが自社に最適か、どのようなデータ分析が可能か、といった戦略的なアドバイスを求めることが重要です。専門家を「顧問」ではなく「戦略パートナー」と捉えることで、経理部門の課題解決に大きく貢献してもらえるでしょう。

【成功事例に学ぶ】人手不足を乗り越えた企業の具体策

私が実際に見てきた中で、人手不足の課題を乗り越え、経理部門を活性化させた企業の具体的な事例を3つご紹介します。これらの事例は、皆さんの会社での取り組みのヒントになるはずです。

クラウド会計とRPAで業務時間を大幅削減した中小企業

地方の中小企業A社では、長年、紙ベースの経費精算と会計処理に追われ、経理担当者の残業が常態化していました。たった2人の経理担当者は常に繁忙期のような状態でした。そこで、彼らはまず、クラウド経費精算システムを導入し、社員の経費申請・承認を電子化。次に、クラウド会計ソフトを導入し、経費データが自動連携されるようにしました。
さらに、RPAを導入し、銀行からの入出金データ取得と、一部の定型的な仕訳入力作業を自動化しました。結果、経理業務にかかる時間を約40%削減し、残業はほぼゼロに。経理担当者は、月次試算表の分析や、各部門からの収益性に関する問い合わせ対応など、経営に役立つ、より付加価値の高い業務にシフトできるようになりました。

生成AI導入で月次決算を早期化したスタートアップ

急速な事業拡大を続けるスタートアップB社では、経理業務が爆発的に増加し、優秀な経理マネージャーが過労で退職寸前という危機に直面していました。同社は、最新の生成AI、具体的にはChatGPTを企業向けにカスタマイズして活用することを決断しました。
AIに、複数のデータソース(会計データ、営業データ、人事データなど)からの情報収集・要約、月次決算レポートのドラフト作成、さらには簡単な財務データ分析と考察までを自動化させました。これにより、月次決算を従来の10営業日から5営業日に短縮することに成功。経営層への情報提供が大幅にスピードアップし、迅速な経営判断、ひいては新規事業展開の加速に大きく貢献しました。経理マネージャーは、AIが生成したレポートを基に、より深い戦略的分析に時間を割けるようになりました。

シェアードサービス化でグループ全体の効率を上げた大手企業

大手企業C社は、傘下に多数の子会社を抱えており、各子会社でバラバラに行われていた経理業務が非効率の極みでした。重複する業務、異なるシステム、属人化されたノウハウが散在し、グループ全体の経理コストも膨大でした。
そこで、C社はグループ全体で経理業務を担う「シェアードサービスセンター」を設立。標準化されたクラウド会計システムを導入し、各子会社からの経理業務を集中管理する体制を構築しました。結果、グループ全体の経理人員を約20%削減しつつ、専門性の向上と内部統制の強化を実現。捻出されたリソースは、グループ全体の財務戦略立案や新規事業の財務分析といった、より高レベルの業務に再配置され、企業価値向上に貢献しました。

ロードマップを成功に導くための重要ポイント

このロードマップを実行する上で、いくつか心に留めておいていただきたい重要ポイントがあります。これらは、私が多くの企業の変革を支援する中で、特に成功企業に共通して見られた要素です。

経営層のコミットメントと部門横断的な推進体制

経理部門の人手不足解消は、単に経理部門内の問題として片付けるべきではありません。これは、企業の持続的な成長に関わる全社的な経営戦略として捉える必要があります。そのため、経営層が強くコミットし、「この改革を成功させる」という明確な意思を示し、必要な予算と権限を付与することが不可欠です。
また、経理部門だけでなく、IT部門、人事部門、そして各事業部門など、関連するすべての部署が連携し、部門横断的なプロジェクトとして推進する体制を構築することが成功の鍵となります。情報共有を密にし、各部門の協力を得ることで、スムーズな変革が可能になります。

スモールスタートとPDCAサイクルによる継続的改善

「よし、全部一気に変えよう!」と意気込む気持ちは分かりますが、一度にすべての業務を改革しようとすると、従業員からの大きな抵抗や、予期せぬトラブルによる失敗のリスクを招きがちです。
まずは、効果が見えやすく、比較的導入しやすい小さな業務からAIやITツールの導入を試みる「スモールスタート」を心がけましょう。例えば、まずは経費精算の電子化から始める、特定の定型業務にRPAを導入してみる、といった具体的なステップです。
その後、導入効果を定期的に評価し(Check)、課題があれば改善策を講じ(Action)、次のステップへと繋げるPDCAサイクルを継続的に回すことが重要です。小さな成功体験を積み重ねることが、大きな変革へと繋がります。

従業員との対話と変革への理解促進

AIやITツールの導入は、従業員に「自分の仕事がなくなるのではないか」という不安を与える可能性があります。この不安を放置すると、改革への抵抗勢力となりかねません。
そのため、変革の目的や、それが従業員自身にもたらすメリット(業務負荷の軽減、より戦略的な業務へのシフト、スキルアップ機会の創出など)を、経営層やプロジェクトリーダーが丁寧に説明し、従業員の理解と協力を得ることが不可欠です。ワークショップの開催や、意見交換の場を定期的に設けるなど、積極的なコミュニケーションを通じて、従業員一人ひとりが変革の「当事者」であるというオーナーシップを醸成しましょう。彼らこそが、変革の最大の推進力となるのです。

まとめ:経理部門の人手不足は、未来への投資機会

経理部門の人手不足は、多くの企業が直面する困難な課題であることは間違いありません。しかし、本記事を通して私が最もお伝えしたかったのは、これを単なる「ピンチ」と捉えるのではなく、「経理部門をアップデートし、企業の成長を加速させる絶好の機会」と捉えるべきだということです。

今回ご紹介したロードマップと実践的な解決策は、皆さんの会社の経理部門が、単なるコストセンターとしての役割を超え、未来の成長を支える戦略的なプロフィットセンターへと変貌するための具体的な道筋を示しています。

AIやITツールを賢く活用し、業務の効率化と高度化を図ることで、経理担当者は日々のルーティンワークから解放され、より深い財務分析や経営層への価値ある情報提供、さらには企業の成長戦略立案に積極的に貢献できるようになります。これは、経理部門の働きがいを向上させ、優秀な人材を引きつけ、定着させることにも繋がるはずです。

完璧を目指す必要はありません。まずは現状把握から、そして本記事で得た知識を活かし、皆さんの会社にとって「小さな一歩」となる改革から踏み出してみましょう。その一歩が、必ずや未来の成功へと繋がり、攻めの経理部門、そして強い企業へと導く力となることを、エンジョイ経理編集長として確信しています。

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